楽天市場は儲かるのか。

2018.08.18

楽天市場は儲かるのか。

ECサイト(通販サイト)を開始される方から、下記内容のご相談が非常に多くいただきます。
Yahooショッピングのようなモール型ECサイト、特に楽天市場に出店するのと、カラーミショップやメイクショップなどを始めとするASPサービス(カートサービス)を使い自社独自のECサイトを所持するのとどちらが良いですか?
お取り扱いされている商材や社内状況によっても弊社からの回答内容は違いますので 当記事は良い面と悪い面を楽天市場を基準にご紹介させていただきます。

楽天市場出店を自社ECサイトと比較した際のメリット・デメリット

まず楽天市場出店と自社ECサイトを比較した際の主な『メリット』と『デメリット』について

メリット

  1. 楽天市場からの集客(楽天市場内の検索・ランキングなど)。
  2. 楽天スーパーポイントや楽天感謝祭をはじめとした、各種販促イベント。
  3. 大手モールなので安心感がある。
  4. 楽天大学でECの基礎が学べる。
  5. 専任のECコンサルタントがつく。

デメリット

  1. 販売手数料・維持管理費が自社独自ECサイトに比べ高額(楽天市場の場合、売上の約10%程度に落ち着く場合が多いです)。
  2. 自店SNSの権利を一部楽天市場が保持する(楽天市場専用のアカウントになり自社サイト用に転用することができない)。
  3. Google Analytics等のしっかりとした検証ツールを使用することができない(GoogleAdSenseやYahooプロモーションなどの外部広告運用が正しく行えない)。
上記メリットに『楽天大学でECの基礎が学べる』、『専任のECコンサルタント』がつく。などのメリットをよく耳や目にされると思います。実際のところ『楽天大学』はあまり有用ではありません。ECに関しての本を2-3冊読めば事足りることがほとんどですし『専任のECコンサルタント』はコンサルタントではなく、実際は楽天市場の広告を売りつける営業マンです。 楽天市場のメリットは単純に『販促イベントと集客』。 大手モールの安心感だけがほしいのでしたら、楽天市場に比べて大幅に手数料が低いYahooショッピングに出店すれば事足ります。 逆にこの『販促イベントと集客』を楽天市場と同等に行えるのであれば楽天市場へ出店する意義はほとんどありません。ただ、『販促イベントと集客』を戦略もなく楽天市場と同等に行うには相当難易度が高くなっています。

考えるのは最終利益

月間600万を楽天市場販売すると、販売手数料や管理費含む販管費は約60万(約10%)となります。 自社サイトで同額の600万を販売すると約24万程度(約4%)ですみます。 楽天市場で販売した場合の最終利益が売上の5%=30万円の事業だった場合、自社サイトですと最終利益11%=66万円と倍以上の利益が残ります。 当然売上が600万円から少ない場合でも、楽天市場以上の最終利益を自社ECサイトでは残すことが十分可能です。 つまりは 楽天市場の『販促イベントと集客』の価値>売上の6% かどうかにつきます。

集客と販促の売上相関

売上を考える際に必ず考える有名な式が『導入人数×転換率×平均客単価=売上』です。 とあるECサイトが月に10,000人サイトに導入があり、転換率が2%(100人きたら2人商品を購入する)、平均の客単価が2000円の場合だと 10,000人×2%×2,000円でとあるECサイトの月額売上は400000円となります。 月の導入人数が倍になれば、当然売上が倍になりますし、転換率が1%になれば月額売上は半分になります。 『集客』が『導入人数』、『販促イベント』が『転換率』に大きく影響を与えますので、 楽天市場に出店すると『集客』と『販促イベント』で『導入人数』と『転換率』が向上させやすくなります。

結論①楽天市場の『集客と販促イベント』で売上が上がるとは限らない

楽天市場に出店すれば『集客と販促イベント』で必ず売上は上がる! なんて事はありません。 集客については、楽天市場内での他店とのSEO競争に勝たなければなりませんし、SEOで勝負しないのであれば楽天市場内の有料広告を利用することになるでしょう。 販促イベントが開催されても、魅力的な商品を魅力的な魅せ方にできてなければ期待通りの数字を出すことは難しくなります。

結論②楽天市場に出店する意味はある

魅力的な商品を魅力的な魅せ方ができおり、楽天市場内のSEO変化にも柔軟に対応して商品データに反映することが可能であれば、楽天市場を利用する多くの方の目に止まることとなり十分魅力的な販路になるでしょう。

結論③まずは戦略ありき

楽天市場に出店するしないに関わらず、まずは戦略ありきです。
  • 何人の人間が1日にどれぐらい時間をECに掛けることができるのか。
  • どの様な形でECサイトの情報を顧客に届けるのか
  • 他社との差別化を表現できるか。
  • 売上予算はどれぐらいを見込んでいるのか
  • 外部にどれぐらい頼れる人間がいるのか などなど
リソースが十分でなく頼れる外部のサポーターなどもいない場合に起こるこの問題については楽天市場や自社ECサイト関わらずついて回るものですが、運営費用・初期コストが比較的高い楽天市場へ安易に手を出すのはリスキーです。 じっくりと整理した上で上記内容を含めた『楽天市場に出店するリスク』と『楽天市場に出店しないリスク』とを天秤にかけて考えると良いかもしれません。

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