はじめに
「そういえばWebデザインとDTPデザインの違いってなんだろう?」
ふと、疑問に思ったことはありませんか?
WebデザインとDTPデザインには、意外と知られていない大きな違いがあるんです。
ここでは、WebとDTPのデザインの違いについて分かりやすくご紹介します!
Webデザイナーの方はもちろん、この業界への転職をお考えの方や、DTPデザイナーの方はWeb会社へお仕事を依頼される際の参考にしていただければと思います。
WebデザインとDTPデザインとは?
Webデザインとは?
Webサイトの全体のレイアウトなどをデザインするのがWebデザイン。
パソコン、スマートフォンなど、様々なデバイスに対応したデザインを考える必要があり、デザインの良さと同時に、使いやすさや見やすさを重要視されます。
DTPデザインとは?
紙媒体の印刷物をパソコンでデザインするのがDTPデザイン。
DTPは、Desktop Publishing(デスクトップパブリッシング)を略したもので
「机上出版」「卓上出版」という意味です。印刷後の出来上がりを意識してデザインすることが求められます。
WebデザインとDTPデザインの違い!

1.「完成」のちがい= 「修正」が可能か
Webデザイン【完成がスタートライン】
Webは形としての「終わり」はあっても、そこから「成長」させていくため「完成」が終わりではありません。ページやコンテンツを追加していき、中身を充実させて、こまめな運用で集客率や販促率を高めます。「完成」が「スタートライン」とも言えます。
DTPと違う点は、完成後も内容の修正、コンテンツ追加が可能なことです。
DTPデザイン【印刷前のミスのない完成データ】
DTPも「完成」したあとの集客や販促が目的ですが、Webとの違いは紙媒体へ印刷した後の修正が出来ないことです。そのため印刷前に「ミスのない完成データ」が求められます。
さらに紙の種類、色、仕様など様々なため、印刷素材をしっかりと選定する必要があります。
Webと決定的に違うのは「修正が利かないのでミスが命取りになる」という点になります。

2.「サイズ」のちがい=「スペースの限度」「単位」
Webデザイン【足し算でデザイン】【単位がpx(ピクセル)】
Webページはスクロールで情報を追加できますが、画面に一度に表示できる範囲には限りがあります。閲覧する画面幅に合わせて、読みやすい長さと配置を考えましょう。
サイズ指定にはpxのほか、文字サイズを基準にするremやem、割合を示す%なども使います。画面幅を一律に1000px前後と決めるものではありません。文字についても「8pt未満はすべて8pt表示」という共通の決まりはなく、指定やブラウザーの設定によって変わります。小さく詰め込むより、利用者が拡大できることと読みやすさを確認することが大切です。
DTPデザイン【引き算でデザイン】【単位がmm(ミリメートル)】
紙面という限られたスペースにデザインするため、必要な情報に優先順位を付け、仕上がりサイズに収まるよう整理します。A判・B判・名刺・ポストカードなど、用途に応じて印刷会社に仕上がり寸法を確認しましょう。
DTPではmmやptなどの単位を使います。文字を何ptまで小さくできるかは、書体・紙・印刷方法・読む人によって異なり、5~6ptを一律の最小サイズとは決められません。実寸の校正で、読める大きさか確かめましょう。
Webも印刷物も、情報を増やす前に伝える順番を考えることと、使う単位の確認が大切です。

3.「色 」のちがい=「RGB」と「CMYK」
Webデザイン【画像再現:RGB】
Webでは「RGB」の3色で色が表現されます。
RGBとは、光の三原色である赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)の3色の頭文字。この3色は混ぜるほどに白に近づいていくため「加色混色」とも言われ、幅広い色が再現されます。Web以外にはブラウン管、液晶ディスプレイ、デジタルカメラなどで画像再現に使われています。
DTPデザイン【画像再現:CMYK】
印刷では、シアン・マゼンタ・イエロー・黒の4色を使うCMYKが基本になる場面があります。ただし、制作・入稿データを必ずCMYKにするとは限りません。RGB画像を受け付け、印刷工程で変換する場合もあるため、印刷会社の指定に合わせます。
また、RGBならどの画面でも指定どおりの色が出るわけではありません。同じデータでも、画面や色の設定で見え方が変わります。印刷ではプリンター・インク・紙・カラープロファイルなどにも左右され、画面の鮮やかな色をそのまま再現できないことがあります。
さらに詳しく解説している記事があるので参考にご覧ください。
Webサイトデザインの為の「配色」の基本

4.「画像」のちがい=「解像度の設定」
Webデザイン【アプリケーションは共通が多いが、解像度が違う】
Web画像は、表示する大きさに対して十分な縦横のピクセル数があるかを確認します。ファイル容量は、ピクセル数や形式、圧縮の設定などと合わせて調整します。
画像のピクセル数を変えずに解像度の記録だけを72ppiへ変更しても、画像データが軽くなるわけではありません。印刷向けのppiと、Webで必要なピクセル数を分けて考えましょう。
制作ツールの例として、写真加工にはPhotoshop、イラストやロゴにはIllustratorなどがあります。
DTPデザイン【印刷の仕上がりに影響するため、解像度が高め】
印刷画像は、実際に印刷する大きさと、写真・線画など画像の種類に合わせて必要な解像度を確認します。写真では300ppi程度が目安になる場合もありますが、入稿先の指定を優先しましょう。
白黒の写真と、白黒2値の線画では条件が異なるため、「モノクロはすべて600dpi」とは決められません。また、画像の解像度を表すppiと、プリンターの出力解像度を表すdpiは区別します。
レイアウトにIllustratorやInDesign、写真加工にPhotoshopを使う場合も、最終的なサイズで必要な画質があるかを確認することが大切です。
さらに詳しく解説している記事があるので参考にご覧ください。
【Illustratorで時短・簡単!】web制作に使えるイラスト作成法

5.「 レイアウト」のちがい=「ファーストビューと全体像」「視線誘導」
Webデザイン【情報を詰め込まず、ファーストビューを意識する】
コーディングすることを念頭に置いてデザインする必要があるため、「詰め込みすぎる」デザインは避けられることが多いです。
webサイトを開いたときに最初に見えるページの上部「ファーストビュー」をどう見せるかに重きを置いてデザインされることが多いです。
また、デザインを見る人の環境やデバイスによってデザインが変わって見えることが多々あります。パソコンとスマートフォンでは画面サイズが全く違うため、どのデバイスから閲覧してもデザインが崩れないよう、細かな調整が必要になります。
また、文章の多いWebページでは「F型」に走り読みされる場合がありますが、ページの内容やレイアウト、読む目的によって変わります。全ページを同じ順序で読まれるものとして設計せず、見出しや要点を見つけやすくしましょう。
DTPデザイン【情報を詰め込み、全体のレイアウトを意識する】
Webのようにコーディングを気にする必要がないため、紙面上に自由なレイアウトができます。紙面はスペースに限りがあるため、必要な情報を「詰め込み」デザインされることが多いです。
また、印刷物は一目で全体を見られるため全体像を意識してデザインする必要があります。雑誌などのページがあるものの場合は、見開きでの全体的なレイアウトも考えなければなりません。
DTPの視線誘導は「Z型(横組み)」「N型(縦組み)」で作られることが多いです。
また、カラーで作成したデータをモノクロで印刷する事も多々あります。モノクロで見た際に「明度差」がしっかり出るように作成することも大切になってきます。
DTPでは全体レイアウトを意識し、視線誘導に注意しましょう。
さらに詳しく解説している記事があるので参考にご覧ください。
綺麗にまとめる?おしゃれに崩す?ホームページ制作でおすすめのレイアウト3選
まとめ
今回はWebデザイナーがDTPデザインをする際に知っておくべき5つの違いを取り上げました。
意外と知らなかった違いがあったのではないでしょうか?
DTPの特徴をまとめますと、
- 印刷後の修正が利かないのでミスが命取りになる。
- スペースは有限。さらに使用される単位の違いにも注意。
- 印刷会社の指定に合うカラーモードでデータ作成。
使用するプリンターやインク、紙の種類によって印刷後の色味がデータと違う事もある。 - 印刷サイズ・画像の種類・入稿仕様に合わせて、必要な画像解像度を確認する。
- 全体レイアウトを意識する。視線誘導はZ型(ヨコ)、N型(タテ)。
どちらも「デザイン」という点では同じなので、学ぶことは沢山あると思います。
今後、デザイナーとしてスキルアップしたい方、DTPデザインの仕事に就職や転職をお考えの方は、デザインの違いを学んでおくことで何かの役に立つかもしれません。
参考資料(2026年10月29日確認):MDN:CSSの長さと単位/MDN:レスポンシブWebデザイン/Adobe:画像サイズ・解像度・リサンプリング/Adobe:色の管理/Adobe:商用印刷向けの画像準備/NN/g:F型の読み方とその条件。


