はじめに
みなさんは「行動心理学」という言葉を耳にしたことはありますか?
行動心理学とは、アメリカの心理学者であるジョン・ワトソンが提唱した心理の一つです。
「ある行動をすることによって、ある感情が生まれる」というように、「人の行動から気持ちを理解する」というところが他の心理学との違いになります。
実はこの「行動心理学」、Webマーケティングにも活かすことができるんです。本記事では中でも取り入れやすいものを5つ、具体的な使用例とともにご紹介します。
1.ハロー効果
まず一つ目は、「ハロー効果」と呼ばれる心理です。
これは、特定の人物や物事を評価するときに、ある特徴によって他の特徴についての評価まで歪んで認知してしまう、という心理現象のことで、「後光効果」「光背効果」と呼ばれる場合もあります。
例えば、対象となる人物が難関一流大学を卒業している場合に、その人の人柄や仕事面まで「きっと優れているだろう」と判断してしまうケースなどがそれに当たります。
~Webマーケティングで使うには~
人は、様々な外部的要因から影響を受けます。
例えば、「口コミ」「ランキング」「SNS」「専門家の意見」などがこれに当たります。
外部的要因の評価が高いと、「これだけ評価が高いのだから、信頼できる企業(商品)に違いない」というイメージをユーザーに植え付けることができます。
積極的にこれらの要素を取り入れたページ作りを意識しましょう。
2.初頭効果
ファーストインプレッション、つまり第一印象は、人との関わりにおいてとても重要なものです。
第一印象は最初の数秒で決まると言われており、できあがってしまったイメージを覆すことは簡単ではありません。
このように「人は相手を第一印象で認識する傾向がある」という心理効果を「初頭効果」といいます。
また、人の記憶において、「はじめに提示されたものの再生率が高い」ということも初頭効果によるものです。
「あの人は明るくて優しいが、面倒くさがりで頼りない部分もある」
「あの人は面倒くさがりで頼りないが、明るくて優しい部分もある」
という2つの説明では、明らかに前者の方が良い印象に聞こえませんか?
このように、同じ特徴を伝えているだけでも順番によって相手が受ける印象が大きく変わる、というのが初頭効果の特徴です。
~Webマーケティングで使うには~
サイトに訪れたユーザーに第一印象を与えるファーストビューが非常に重要になります。
ページを見た時に良い印象を与えることができれば、コンテンツの内容を最後まで見てもらえる可能性が高くなりますし、それが商品やサービスなら受注の可能性も高くなるでしょう。
いずれも「ユーザーにどんな印象を与えたいのか」を明確にした上で構成することが大切です。
3.親近効果
一方で、「終わり良ければすべて良し」という言葉もあります。
上記で述べた初頭効果とは逆に、「一番最後に見聞きしたものが強く印象に残る」という現象を「親近効果」といいます。
例えば、あなたが飲食店でオーダーした料理がなかなか運ばれて来ず、お店に不満を感じたとします。
ところが、会計時にオーナーが現れ、懇切丁寧に謝罪をされたとしたらどうでしょう?
先の印象とは打って変わって、「良いお店だな」という印象を抱きませんか?
このように、私たちは親近効果によって普段から判断材料として最も新しい情報を優先させている、ということがわかります。
~Webマーケティングで使うには~
セールスページの最後に「数量限定」「先着〇名様限定」といった、ユーザーの背中をひと押しする情報を置くことが大切です。
また、受注後のサンクスページやメールにも手を抜かず、お見送りの精神で丁寧に作り上げてください。
そうすることで、「丁寧な企業である」という強い印象をユーザーに与えることができるでしょう。
4.バンドワゴン効果
突然ですが、「売上No.1!」と宣伝された商品や「〇〇賞受賞!」と謳われた映画、「使ってみたい」「観てみたい」と思いませんか?
このように「世間の流行りや多数に人気のあるものに心が惹かれる」という現象を「バンドワゴン効果」と呼びます。
例えば、行列のできるラーメン屋が繁盛している現象もこれに当たります。
「バンドワゴン」とはパレードの楽隊車を指しており、楽隊車の後ろを大勢の人たちが付いて歩く様子から「みんなに付き従うように同じものを選択することで満足する」という同調現象的な意味が込められています。
~Webマーケティングで使うには~
バンドワゴン効果をマーケティングで活かすためには、その商品やサービスが「いかに人気であるか」をアピールする必要があります。
商品やサービスを紹介する際に、ユーザー数や販売実績などを記載することで、「こんなにたくさんの人が購入しているんだ」と興味を持っていただくことができます。
「人気の演出」こそ、バンドワゴン効果を活かしたサイト作りには欠かせないのです。
5.カリギュラ効果
ここから先は絶対に読み進めないでください。
と言われると、ついつい先を読みたくなりませんか?
このように、人は何かを禁止されるとむしろその物事が気になって逆の行動をとろうとしてしまいます。
これは「カリギュラ効果」と呼ばれる心理現象で、「鶴の恩返し」や「浦島太郎」などの物語でもこのような性質が描かれています。
現代で例えるなら、雑誌についている「袋とじ」が正にそれに当たります。
「購入しなければ見ることができない」というカリギュラ効果こそが袋とじの最大の魅力と言えるでしょう。
~Webマーケティングで使うには~
ストレートにカリギュラ効果を発揮できるのはキャッチコピーです。
「絶対に〇〇しないでください」「△△な人は読まないでください」というように禁止をかけたり、「女性限定」「会員限定」などとして情報に条件をつけることで読み手の心をくすぐることができます。
サイトで使用するなら、会員専用ページを作って情報を制限する、なども効果的な方法でしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?
一見結びつきがなさそうな心理学とWebマーケティングですが、このような形で活かすことができるのがお分かりいただけたと思います。
今回ご紹介したのは一例に過ぎませんので、興味がある方は他にも調べてみてください。
どれもすぐに取り入れられるものばかりですので、みなさんもぜひ行動心理学を取り入れたサイト作りに挑戦してみてくださいね!