EFO(エントリーフォーム最適化)について
EFOは「Entry Form Optimization(エントリーフォーム最適化)」の略称です。
サイト訪問者は入力フォームに必要情報を入力する際、項目数が多くてストレスを感じたり、エラーが頻発したりすると完了前に放棄してしまいます。これを途中離脱といいます。
入力の手間やストレスを減らし、短時間で正確に入力できるフォームにすることで、ユーザーの途中離脱を防ぎ、確実に申し込みを完了してもらうことを目指します。
入力フォームはインターネット広告や検索を通じてサイトを訪れたユーザーが、アクション(会員登録や資料請求、または商品購入)しようとするとき避けて通れません。フォームまでたどり着いたユーザーは、アクション意欲がとても高いにもかかわらず、約75%のユーザーがフォームを離脱してしまいます。ここでの離脱率を下げるためにフォーム内の離脱ポイントを見つけることが重要になります。
フォームでの離脱による損失は非常に大きく、ウェブサイトそのものやランディングページ(リンク等をクリックしてウェブサイトへアクセスした最初のページ)にいくら費用をかけて流入UPに成功しても、その機会を最大まで活かすことができません。
EFOを改善することで、フォームのユーザビリティを向上させ、フォームまでたどり着いたモチベーションの高いユーザーを確実にコンバージョンへ結びつけます。
ユーザーの離脱を防ぐための8つの改善案
ここではEFOツール(※後述)を用いずに入力フォームからの離脱率を改善できるポイントをまとめました。
- 始めに入力に必要な目安の時間を記載する
フォームの最初に「入力は10分ほどで完了します」などのガイド表記を入れましょう。ユーザーが完了までの目安の時間を把握できると、フォーム入力中に発生するストレスが軽減されます。
- 関係のない項目をなるべく省く
せっかくエントリーフォームまでたどり着いたユーザーも、最初に入力する項目が多いことがわかると離脱してしまう可能性が高まります。ですのでエントリーフォームの項目は必要最低限にしましょう。会員登録の場合、任意項目の入力は登録後に別途で入力機会を設けることで最初の入力項目を少なくすることもできます。フォームの理想的な項目数は5~10項目だと言われています。
- ラジオボタンで入力項目を省く
入力項目を省く為に有効なのがラジオボタンの導入です。アンケートや情報収集のための項目の場合はできるだけラジオボタンでユーザに項目を選択してもらう形式にしましょう。
- フォームの入力項目は適切な大きさを確保する
項目が小さくてクリックやタップがしづらい入力欄ですと、操作性の面でストレスを感じてしまいます。一度、項目の大きさを見直してみましょう。
- フォーム内にTOPもしくは他ページ、広告などのリンクを置かない
誤操作を減らすことは勿論ですが、意識がリンクに向いてしまいフォーム入力中に離脱してしまう可能性が高いです。ユーザーに必要情報を入力してもらうことが目的ですので、離脱ポイントを入れないようにしましょう。
- ユーザーの望まないタイミングで入力がリセットされてしまわないようにする
ユーザーが誤ってリセット(またはブラウザ移動)ボタンを押さないような配置にしましょう。リセットボタンと送信ボタンの色や大きさを明確にすることも大切です。
- 必須項目をわかりやすくする
「※」とだけつけているフォームや、必須にもかかわらず分かりやすい目印や表記がついていないフォームでは、ユーザーの混乱を招き入力完了率の低下を招きます。色を見分けることが難しい方もいますので、色以外でも確実に必須項目であることを伝えられるようにすることが必要です。
- 個人情報保護方針を明記する
企業やウェブサービスの個人情報漏洩がたびたび問題になっています。そのためWebサイトに個人情報を登録することに抵抗感を覚えるユーザーは少なくありません。そこでフォームの入力時に自社の個人情報保護方針を明記し、ユーザーからの同意・信頼を獲得するようにしましょう。
セキリュティを確保するために
フォームへの記入がきっかけでスパムメールが届くようになった、といった経験のある方もいらっしゃるでしょう。そのために入力フォームの安全性については特に気にかかるものですし、その確認が得られないとユーザーは離脱してしまいます。ですのでセキュリティについて信頼できるサービスを使用しましょう。
無料でフォームが作成できるサービスとして有名なものに、GoogleとWordPressがあります。この2つの事業者のセキュリティ対策について解説します。
Googleのセキュリティはかなり高いと言われています。データの暗号化については、あらゆるサービスに暗号化が施されており、さらにこの暗号は、HTTPSやTLSなど、複数の方法で何重にも保護されています。また、保護されていないサイトにアクセスする際に、Googleでは警告が表示されます。これはウイルスに感染しないよう、ユーザー側が不審サイトにアクセスするのを防ぐためです。
WordPress
WordPressのセキュリティには、プラグインが用いられています。有名なプラグインに関しては、頻繁にアップデートが行われますので、常に最新版にしておきましよう。ウイルスなどの攻撃手段は日々更新されていっていますので、セキュリティもアップデートを頻繁にしなければ危険です。WordPressでも、セキュリティのプラグインを常に最新のものにすることで、一定のセキュリティ基準は保証されます。
EFOツールについて
EFOツールとは、入力フォームを最適化してくれるツールを意味します。専門的な知識を必要とせず、サイトに導入するだけで入力フォームの最適化を実施することができます。利用する場合は基本的に利用料金が必要となりますが、改善により広告効果が上がるため、前述した改善案で効果がないと見られる場合は検討してみてください。EFOツールにはいくつかの機能がありますので、まずはどのような機能があるのかご説明します。
- リアルタイムアラート
入力した情報の誤りを知らせ、その場で入力内容を修正できます。
- 背景カラーリング
必須項目と任意項目が一目でわかるように色を付けることができます。
- ナビゲーション
進捗状況をユーザーが確認しながら入力することができるようになります。
- 遷移ボタンの最適化
入力に不備があるときに次のページに遷移させないようにできます。
- 住所入力の補助
郵便番号を入力すると自動で住所を補完してくれます。
- ページ離脱アラート
ブラウザのバックボタンを押したときに、「途中までの入力データが全て消えてしまいますが本当に移動しますか?」というアラートを出すことができます。
- ふりがな自動入力
漢字を入力すると、自動でふりがなを補完してくれる機能です。
- 入力値の自動変換
誤った入力値で記載した時、正しい入力値に変換してくれる機能です。例えば、カタカナ入力をしなければならない枠にふりがな入力をすると自動でカタカナに変換してくれます。
- 外部連携機能
Facebook、Google、Yahooなどの外部サービスと連携することで、会員情報を外部サービスと共有し、登録情報の大部分を自動で取得することができます。
EFOツールを検討するときに
ここではEFOツールを選ぶためのポイントをいくつか紹介します。より自身のウェブサイトにあったものを選択するために参考にしてください。
- 離脱の原因となっている項目の発見ができるか
- 修正後に改善したかどうかを確認できるか
- アシスト機能が自由にON/OFFができるか
- どのようなアシスト機能があるか
- 導入にかかる工程数
- 利用料金
- スマホにも対応しているか
EFO対策を行う前に
重要な点としてEFOの改善の行う前に、ウェブサイトを訪れたユーザーが入力フォームにたどり着けているかをチェックして利用者の行動パターンを改善していくことも重要です。 人気があるページや集客できる力のあるコンテンツページからフォームへの動線が確保されていないと、 EFO対策の効果が限られてしまうため注意が必要です。
まとめ
いかがだったでしょうか。紹介したもの以外にもEFO対策は数多く存在します。「安全性・信頼性」「わかりやすさ」「ユーザーの手間をどれだけ減らせるか」の3点を念頭に置き、入力フォーム改善を行いましょう。様々な細かい工夫を積み重ねることで、ユーザーが入力フォームから離脱することは減ります。この機会にウェブサイトの入力フォームの見直しをご検討いただければ幸いです。