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モバイルファーストSEOの本質|スマホ版で確認する8項目

近年、インターネットへのアクセスはPCよりもスマートフォンやタブレットなどのモバイル端末が主流となっています。それに伴い、Webサイトを制作する際には、そうした閲覧環境の変化に対応していくことが必要になっています。 その中で必要になってくるのがモバイルファーストを意識したWebサイト制作です。

チップス

自社サイトはスマートフォンの画面幅に収まっている。それでも、PC版にある説明やリンクが欠けていないか、画像やフォームをGoogleと利用者の両方が問題なく扱えるかまでは確認できていない。そんな経営者・Web担当者に向けて、モバイルファーストSEOを現在の前提から整理します。

結論は、レイアウトが崩れず、画像を減らして軽く見せるだけでは不十分です。検索に使われるスマホ版に必要な情報がそろい、Googleが取得でき、利用者が読んで判断し、問い合わせまで操作できる状態を確認する必要があります。本記事では、その点検を8項目に分け、制作会社へ渡せる修正依頼まで落とし込みます。

モバイルファーストSEOは移行対応ではなく日常の確認項目

モバイルファーストインデックスは、これから切り替えに備えるための施策ではありません。Googleは2023年10月31日に移行の完了を公表し、さらに2024年6月3日には、同年7月5日以降、検索向けのクロールとインデックス登録をGooglebot Smartphoneで行う方針を示しました。モバイル端末から内容へまったくアクセスできないサイトは、検索に登録できなくなるとも説明しています。Google for Developers+1

したがって、現在の実務では「移行済みか」を確認するより、公開や更新のたびにスマホ版の欠落を防ぐ運用が中心になります。新しいサービスページ、キャンペーン用のランディングページ、フォーム、WordPressのテーマやプラグインを変更したときは、PCだけで完了とせず、スマートフォン用の表示と取得結果も公開条件に含めます。

モバイル対応の実装方式と、モバイルファーストSEOの監査は分けて考えます。レスポンシブWebデザインで同じURLを使っていても、CSSで説明を隠したり、JavaScriptで一部だけ読み込んだりすれば、端末間に差が生まれます。実装方式を比較したい場合は、レスポンシブとアダプティブの実装方式の違いを参照し、本記事では内容、取得可能性、操作性の確認に集中してください。

日常点検の対象は、画面の見た目だけではありません。原稿の差し替え、画像の最適化、ナビゲーション変更、構造化データの追加、フォーム改修など、検索や問い合わせに関係する更新を行ったページを対象URLとして記録し、公開前後に再確認します。

Googleはスマホ版の内容をもとに理解する

スマートフォン用クローラ、取得可能な本文・画像・メタ情報、検索インデックスという3段階を示す文字なしの情報フローを整理した図
スマートフォン用クローラが取得する内容と検索理解の関係を示すために、スマートフォン用クローラ、取得可能な本文・画像・メタ情報、検索インデックスという3段階を示す文字なしの情報フローを整理しています。

Googleは、スマートフォン用のクローラで取得したモバイル版の内容を、インデックス登録とランキングに使います。つまり、PC版に詳しい説明があっても、スマホ版で省かれていれば、その情報を前提に検索で理解してもらえるとは限りません。Google for Developers

確認の流れは、スマートフォン用クローラがページへアクセスし、取得できた本文・画像・メタ情報を処理し、その結果が検索インデックスへ反映されるというものです。ここで見るべきなのは、スマホ画面がPC画面と同じ配置かどうかではなく、検索と利用者の判断に必要な情報が取得可能な形で存在するかどうかです。

文章をアコーディオンやタブへ収納し、縦長の画面で読みやすくすること自体は問題ではありません。Googleの公式資料も、モバイル向けにデザインを変えながら、主要コンテンツはPC版と同等にするよう案内しています。省略ではなく配置変更になっているかを確かめます。Google for Developers+1

SEO全体では、ページの有用性、クロール、インデックス登録、検索結果での見え方なども関係します。全体像はSEO対策全体の基本とGoogleの考え方へ分け、ここではスマートフォン版を基準に起こりやすい差に絞ります。

PC版とスマホ版で内容・メタ情報をそろえる

「同じ内容」は、画面を一字一句、同じ順序で表示することではありません。利用者がサービスを理解し、比較し、問い合わせを判断するための本文や見出しが両方にあり、検索結果へ伝えるタイトルや説明、構造化データも対応している状態を指します。

PC版を基準として比較するときは、ファーストビューだけで判断しないでください。ページ末尾の注意事項、料金や対応範囲の条件、関連ページへのリンク、問い合わせ直前の補足まで確認します。スマホ版のメニュー内へ移動したリンクや、折りたたみ内へ収納した文章も開いて見比べます。

PC版とスマホ版の内容同等性チェック
確認対象PC版スマホ版差がある場合の対応
主要本文サービス内容、条件、根拠を記録同じ判断材料があるか確認省略なら戻し、長さが課題なら折りたたみや分割を検討
見出し見出し文と階層を記録意味のある見出しが残るか確認装飾だけでなく、内容を示す見出しとして修正
リンク・CTA遷移先と配置目的を記録同じ導線へ到達できるか確認メニュー内を含め、欠落・誤リンク・押しにくさを修正
タイトル`title`要素を確認PC版と同等か確認ページの主題が変わらない表現へ統一
説明meta descriptionを確認PC版と同等か確認欠落や別ページの文面流用を修正
構造化データ種類、値、URLを確認同じ情報が出力されるか確認欠落、値の不一致、URLの誤りを修正

この表は、差が「スマホ向けの見せ方の変更」なのか、「検索や判断に必要な情報の欠落」なのかを分けるためのものです。後者であれば、デザインをそろえるのではなく、情報が伝わる形で復元します。

Googleは、主要コンテンツと明確な見出しをPC版とスマホ版で同等にし、構造化データ、title要素、meta descriptionも両方へ用意するよう案内しています。構造化データ内のURLも、モバイル版の構成に応じて正しい値か確認します。Google for Developers

画像と主要コンテンツをGoogleが取得できる状態にする

画像を減らすこと自体がモバイルファーストSEOではありません。商品、施工内容、図解、人物、実績の根拠など、理解に必要な画像まで外せば、ページの判断材料が薄くなります。残す画像を選んだうえで、Googleが画像ファイルへアクセスでき、利用者にも内容が伝わる状態を整えます。

スマホ版だけnoindexnofollowが付いていないかを調べ、別の画像URLを使う場合は、そのURLがrobots.txtで拒否されていないかも確認対象です。毎回変わる画像URLを避け、対応形式を使い、PC版と同等の説明的なaltを設定します。小さすぎる画像や低解像度の画像へ機械的に差し替えるのではなく、画面サイズに応じた表示と情報の判読性を両立させます。Google for Developers+1

本文、画像、比較表などを遅延読込する場合は、スクロールやタップ、入力といった利用者の操作をしないと初めて取得される実装になっていないかが確認点です。Googleは、操作を必要とする主要コンテンツを読み込まないと説明しています。ページを開いた時点で取得でき、表示領域へ近づいたときに適切に読み込まれる実装へ直します。Google for Developers

robots.txt、robotsメタタグ、画像URL、遅延読込は、見た目だけでは判定しにくい領域です。制作会社へ依頼するときは「画像が出ない」ではなく、対象URL、画像ファイルのURL、スマホでの症状、URL検査の結果をそろえると、調査範囲が明確になります。

スマホで読めるだけでなく判断・操作できるかを見る

検索から訪れた人が目的を達成できなければ、内容が取得できていてもページとしては不十分です。文字が画面に収まるかだけでなく、サービスを理解し、比較し、問い合わせ方法を選び、入力して送信できるかを実際の行動順で確かめます。

本文は、拡大しなくても読める文字サイズと行間になっているか、見出しと段落の区切りが追えるかを見ます。余白を詰めすぎると、リンクやボタンの境界が分かりにくくなります。反対に余白が広すぎると説明とCTAの関係が途切れるため、見た目の統一より情報のまとまりを優先してください。

タップ領域は、リンク同士が近すぎないか、ボタン全体を押せるか、指で隠れてもラベルを判別できるかを確認します。電話、地図、資料請求、問い合わせなど、行き先の異なる操作をアイコンだけで示す場合は、意味が曖昧にならないテキストも添えます。

横幅の広い表は、文字を極端に縮小するより、横スクロール、項目の分割、カード化などを検討します。フォームでは、入力欄とラベル、必須表示、エラー内容、確認画面、送信完了までを実機で通します。キーボード表示で送信ボタンが隠れる、選択肢を押し間違える、エラー位置へ戻れないといった問題は、静止画の確認では見つかりません。

CTAは目立つ色にするだけでなく、その直前の説明を読んだ人が「何が起きるボタンか」を理解できる文言にします。固定CTAを置く場合も、本文やフォームを覆わず、閉じる操作や別の導線を妨げないかを確認してください。

URL検査と実機で確認する手順

URL検査での取得確認と、実機での閲覧・タップ・フォーム確認が最後に修正依頼表へ合流する文字なしの二経路フローを整理した図
検索側の確認と利用者側の確認を分けて理解しやすくするために、URL検査での取得確認と、実機での閲覧・タップ・フォーム確認が最後に修正依頼表へ合流する文字なしの二経路フローを整理しています。

検索側の確認と利用者側の確認は、同じ画面だけでは完結しません。Search ConsoleのURL検査ではGoogleが取得した内容を確かめ、実機では閲覧、タップ、入力、送信を確かめます。確認項目は、①本文・見出し、②リンク、③タイトル・説明、④構造化データ、⑤画像、⑥robots、⑦読込、⑧タップ操作の8つです。

対象を広げすぎると修正が進まないため、問い合わせや売上に近いページ、検索流入があるページ、最近更新したページから始めます。次の順番なら、発見した問題をそのまま記録へ移せます。

  1. 対象URLを選ぶ:サービス詳細、会社情報、事例、問い合わせなど、利用者の判断に関わるページを優先する。
  2. PC版とスマホ版を比較する:本文、見出し、リンク、タイトル・説明、構造化データ、画像の有無と内容差を記録する。
  3. URL検査で取得結果を見る:インデックス登録の可否だけで終えず、テスト結果とレンダリングされたページで主要内容が見えるか確認する。
  4. 実機で主要操作を通す:メニュー、表、CTA、電話リンク、フォーム入力、エラー、送信完了までを確認する。
  5. 症状と修正後の状態を記録する:端末、ブラウザ、発生画面、再現手順、希望する状態を一つの行へまとめる。

URL検査では、Googleから見えるレンダリング結果に主要コンテンツが現れるかを確認できます。構造化データは、取得されたHTMLに同じマークアップがあるかを照合します。実機で見えていても取得時に欠ける要素があるため、両方の結果を残してください。Google for Developers

モバイルファーストSEOの8項目
確認項目確認方法問題の例修正担当
1. 本文・見出しPC版とスマホ版を末尾まで比較条件説明や見出しがスマホだけ欠落編集・制作
2. リンクメニュー、本文、CTAを実際に開く関連ページへ進めない、誤リンク編集・制作
3. タイトル・説明HTMLまたは検査結果で比較スマホ版だけ欠落、別文面SEO・制作
4. 構造化データ両版の種類、値、URLを比較マークアップ欠落、URL不一致SEO・開発
5. 画像/6. robots画像表示、alt、取得可否を確認重要画像がない、ファイルを拒否制作・開発
7. 読込/8. タップ操作URL検査と実機操作を併用操作後しか出ない、表やフォームを押せない開発・制作

この表で、自社担当者が内容を確認できる項目と、HTML、robots、JavaScriptの調査を制作会社へ渡す項目を分けます。担当名は社内体制に合わせて置き換え、未確認のまま「問題なし」としない運用にします。

制作会社へ渡すモバイル改善チェックリスト

「スマホ対応してほしい」だけでは、制作会社は対象ページ、再現条件、完了条件を判断できません。依頼前に、目視で分かる症状と、検査ツールで分かった取得上の問題を分けて記録します。

点検漏れを防ぐため、次の項目を対象URLごとに確認してください。

  • 本文・見出し:PC版にある説明、条件、見出しがスマホ版にもある
  • リンク・CTA:遷移先が正しく、指で押しやすく、行動内容が分かる
  • タイトル・説明title要素とmeta descriptionが欠けず、ページ内容と対応する
  • 構造化データ・画像:種類、値、URL、alt、画質、表示の有無を確認した
  • robots・読込:ページや画像が拒否されず、主要内容が操作なしで取得される
  • 表・フォーム:表を読め、入力、エラー修正、送信完了まで操作できる

チェックが付かなかった項目は、単なる感想ではなく「現在の症状」と「希望する状態」に変換します。たとえば「フォームが使いにくい」ではなく、「iPhoneの縦向きで都道府県の選択肢が画面外へはみ出す。縦向きのまま全項目を選択し、送信できる状態を希望」と書けば、確認条件がそろいます。

制作会社へ渡すモバイル改善依頼表
対象URL・画面確認した症状希望する状態優先度・時期
サービス詳細ページ・説明欄PC版の対応範囲がスマホ版にない同じ条件をスマホでも読める高・次回更新前
事例ページ・画像部分画像が表示されず、altも確認できない画像を取得・表示でき、説明が伝わる高・早期
料金表・比較表右端が切れ、項目を比較できない全列を読める表示方式にする中・改修時
問い合わせフォーム入力エラー後の位置が分からないエラー箇所と修正方法が分かる高・公開前

この表は、どの問題から直し、いつまでに確認するかを決めるための引き継ぎ資料です。優先度は、問い合わせ不能、主要情報の欠落、Googleが取得できない問題を上位に置き、装飾上の差と分けてください。

依頼時には、対象端末とブラウザ、確認日、スクリーンショット、URL検査の結果も添えます。修正後は同じ条件で再確認し、PC版に別の不具合が出ていないかも見ます。モバイルだけを直して完了にせず、マルチデバイスで判断と操作が成立する状態を完了条件にします。

まとめ

モバイルファーストSEOは、スマートフォン用ページへの移行作業ではなく、更新のたびに行う品質確認です。表示幅に収まるかだけで終えず、PC版との内容同等性、Googleが取得できる状態、利用者が判断・操作できる状態を一緒に見ます。

本文と見出し、リンク、タイトル・説明、構造化データ、画像、robots、読込、タップ操作を対象URLごとに確認すれば、「スマホ対応」という曖昧な課題を具体的な修正項目へ変えられます。URL検査と実機確認の結果を依頼表へまとめ、影響の大きいページから改善してください。

Google Search Central「Mobile site and mobile-first indexing best practices」 Google for Developers

Google Search Central Blog「Mobile-first indexing has landed - thanks for all your support」 Google for Developers

Google Search Central Blog「Mobile-indexing-vLast-final-final.doc」 Google for Developers

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