皆さんは、「Googleしごと検索」というサービスをご存知でしょうか?
北米Googleで2017年6月にリリースされ、世界各国に展開されつつある「Google for Jobs」の日本版で、日本では2019年1月23日に提供が開始されたばかりの新しいサービスです。
「しごと検索」という名前の通り求人情報に特化した検索機能を備えており、
求職者の求人検索に役立つだけでなく、採用活動の効率化やコスト削減などにもたいへん効果的であることから話題になっています。
この記事では、そんな「Googleしごと検索」について詳しく解説していきたいと思います。
「Googleしごと検索」ってどんなサービス?
Googleしごと検索は、Googleでの検索結果に対して企業が掲載した求人情報が表示される機能です。
ユーザーが求人に関するキーワードで検索をすると、検索結果画面に下記のような求人情報エリアが現れます。
求人情報をクリックすると、クリックした求人の詳細やその他の求人の一覧が確認できるページが表示されます。
この画面から職種や勤務体系、求人掲載されてからの日数など様々な条件で求人情報の絞り込みもでき、求職者にとって便利な仕様になっています。
求人活動に導入するメリット
無料で利用できる
大手の求人サイトに情報を掲載するとかなり高額な費用がかかります。
また、求人情報誌やフリーペーパーに出稿する費用も決して安くはありません。
さらに今後は少子化による人手不足が進行し、採用にかかるコストはさらに高くなっていくことが予想されています。特に知名度やブランド力が大企業と比較して弱い傾向にある中小企業では、求人サイトや求人広告の費用負担は重くなるでしょう。
テレビCM、Web広告等を潤沢な予算で駆使できる大企業と比べて、予算が少ない中小企業はこれから採用活動でかなりの苦境に立たされます。
その点、Googleしごと検索なら掲載や登録に費用はかからないので、採用コストを大幅に節約できます。あまりお金がかけられない企業でもGoogleしごと検索を活用すれば、採用活動を大幅に強化できるのです。
応募数アップにつながる
Googleでは、検索上位に表示されなければユーザーにWebサイトを見てもらうことは難しくなります。
そのため多くの企業や求人媒体が上位表示をさせるために対策を行っています。
また、現在は自然検索(通常の検索結果)において、求人系のキーワードで検索上位を獲得することが非常に難しくなっています。
検索上位には大手求人サイトやハローワークなどの強力なライバルサイトがひしめきあっており、これらの間に割って入るのは簡単ではありません。
しかし、Googleしごと検索を活用すれば、リスティング広告枠と自然検索結果の間というかなり上位に求人情報が掲載されることになります。(稀にですが、自然検索結果のほうが上に来る場合もあるようです。)
つまり、自然検索結果の1位よりも上位に求人情報が掲載される事により、自社の求人ページに多くのユーザーを呼び込める可能性が広がるのです。
また、Googleしごと検索の検索結果には上位3社のみが表示されますが、もしGoogleしごと検索内で上位3社に入れなくても、左下の「他○○件以上の求人情報」をクリックすると3位以下の情報も見ることができ、職種などのカテゴリやエリア、キーワード検索を用いた絞り込み機能も豊富に用意されているので、自社の求人情報が求職者に閲覧される可能性が常に存在します。
そのため、Googleしごと検索では3位以内を獲得できない場合でも、求職者へのアピール効果が期待できます。
検索上位3社に入るには?
「でも、できれば上位3社に入りたい!」と考えられる方は多くいらっしゃると思います。
残念ながらGoogleしごと検索がどのように表示順位を決めているかは、現在明らかにされていません。ですが、検証を試みたとある企業によると、以下の様な推測ができたようです。
現状の傾向としては「検索した場所からの距離が近さ」はかなり強く関係しているであろう点と、
引用元: Googleしごと検索(Google for Jobs)の掲載方法や上位表示要素を検証してみた
シンプルですが「情報をなるべく多く・詳しく掲載」している求人は上位に来やすい傾向です。
よってユーザーのためにも、Description内には給与や勤務先、勤務時間、勤務形態などを始め、
他のフィールドで埋めている項目も含めてなるべく多くの情報を記載することが望ましいでしょう。
求職者がGoogleしごと検索の絞り込み機能を利用した際にできるだけその条件にマッチするように、後述する掲載必須の項目の中に、できるだけ多くの情報を盛り込むことが検索上位を狙う近道になるでしょう。
求職者とのより良いマッチングが見込める
インターネットを使った求人情報探しは便利になってきました。しかし、数多くの求人情報が掲載されたメディアから求職者自身の希望にあった情報を自力で探し出すのは大変な作業です。
求める条件とマッチしている求人がたくさんあったとしても、検索する条件によって表示されず、見逃してしまうリスクがありました。
しかしGoogleしごと検索では、ウェブ上の転職・求人情報サイトや企業の採用ページなどから求人情報を探して検索結果に分かりやすく表示することができます。求職者は使い慣れたGoogleの検索ボックスにキーワードを入力し、絞り込む項目を選んでいくだけで、ニーズにあった求人情報を得ることが可能になります。
またGoogleしごと検索では検索ユーザーの位置情報をもとに、近くの求人情報ほど優先的に表示されるようになっており、詳細画面では10km圏内、2km圏内などさらに細かくエリアを絞り込めます。
これにより、求職者は通勤時間が短い近隣の求人情報へ効率的にアクセスできます。求職者にとって通勤時間はできるだけ短いにこしたことはありませんし、雇用者である企業側から考えると、職場の近くに住んでいる人から応募してもらったほうが交通費の負担額は少なくなります。
さらに通勤時間が短い分、時間的・体力的な負担が軽減されるので、従業員により仕事に集中してもらうこともできるでしょう。
求人情報を掲載するには?
Googleしごと検索に求人情報が掲載される方仕組みをざっくりと説明すると、「求人情報が掲載されているWebサイトのソースをGoogleのクローラー(ロボット)が読み取り、Googleしごと検索に反映させる」という流れになっており、情報を掲載するには大きく分けて2つの方法があります。
「構造化データ」を自社の求人ページに埋め込む
重要なことですが、求人ページを作っただけではGoogleしごと検索には反映されず、クローラーが求人情報を読み取るためには「構造化データ」と呼ばれる情報を求人ページのソース内に埋め込み(コーディング)する必要があります。構造化データとはすなわち、職種や給与や就業場所といった情報を整理して1つにまとめたものを指します。Googleしごと検索の構造化データにおいて記載が必須となっている要素は
- 求人のタイトル
- 基本給
- 勤務時間
- 投稿した日時
- 雇用形態
- 求人を出している企業
- 賞与や昇給に関する情報
- 業種 / 職種 福利厚生
- 勤務地 支払われる給与の通貨
- 期待する能力(コミットメント)
- 求人が無効になる日
となっており、かなり詳細な情報を掲載できることがわかります。
構造化データを求人ページのソースに埋め込む際の一例は、以下の様になります。
<script type="application/ld+json"> {
"@context" : "http://schema.org/",
"@type" : "JobPosting",
"title" : "Webコンテンツ・求人広告のライター募集中",
"description" : "<p><業務内容></p>
<p>自社のオウンドメディアや顧客インタビュー、及び、クライアントの求人広告原稿のライティング業務です。</p>
<p>応募資格:学歴・経験不問・30歳くらいまでの方</p>
<p>勤務時間:09:00~18:00 (時間応相談/シフト制)</p>
<p>[加入保険]</p>
<p>法定に準ずる(厚生年金 健康保険 労災保険 雇用保険 )</p>",
"datePosted" : "2018-11-01",
"validThrough" : "2018-12-31T09:00",
"employmentType" : "正社員",
"hiringOrganization" : {
"@type" : "Organization",
"name" : "株式会社ネットオン",
"sameAs" : "https://neton.co.jp/"
},
"jobLocation" : {
"@type" : "Place",
"address" : {
"@type" : "PostalAddress",
"addressRegion" : "大阪府",
"addressLocality" : "大阪市",
"streetAddress" : "北区曾根崎新地1-1-49 梅田滋賀ビル4F",
"postalCode" : "530-0002",
"addressCountry": "JP"
}
},
"baseSalary": {
"@type": "MonetaryAmount",
"currency": "JPY",
"value": {
"@type": "QuantitativeValue",
"minValue": 220000,
"maxValue": 450000,
"unitText": "MONTH"
}
}
}
"workHours": "<p>09:00~18:00 (時間応相談/シフト制)</p>
<p>[休憩時間]</p>
<p>1時間(12時〜13時)</p>" ,
</script>
引用元:Googleしごと検索(Google for Jobs)とは? | サービスの特徴やIndeedとの違いを解説
また、求人ページを作成し構造化データを追加しても、クローラーがそのページに到達して情報を持ち帰り、Google内のデータベースに登録(インデックス)しなければGoogleしごと検索には求人情報が表示されません。ですがクローラーは世界中のWebサイトを絶えず巡回しているので、ある程度の日数が経てば自社の求人ページにもクローラーが到達してインデックスが行われます。
以上のインデックスが終了した時点で、Googleしごと検索に求人情報を掲載する作業はすべて完了です。
よって、求人ページと構造化データの作成が上手くできていれば、自然とGoogleしごと検索には求人情報が表示されますが、Webサイトを構築する知識のない企業だと対応させるのは難しいので、制作会社などに依頼をする必要があるでしょう。
Googleしごと検索に対応している求人サイトを利用する
Googleしごと検索に対応している求人サイトに情報を掲載することによっても、Googleしごと検索へ求人情報を表示させることができます。Webサイト制作に詳しい人がいない企業や、自社運営の求人ページを持たない企業でも簡単にできる方法です。
ですが求人サイトはレイアウトや形式が一定のため、自社運営のWebサイトと比較して、掲載できる情報量や画像・動画の利用に制限があります。
求職者に応募してもらうためにはGoogleしごと検索に情報が表示されるだけでなく、リンク先のページでさらに興味を持ってもらう必要があるため、やはり自社運営の求人ページを登録するのがよいでしょう。
また、求人サイトに情報を掲載すると継続的にサイトの利用料金が発生することになります。採用コストを節約するなら、自社の求人ページをGoogleしごと検索でも活用することをおすすめします。
まとめ
いかがでしたか?「Googleしごと検索」は、採用コストを抑えつつ応募数を増やしたいという企業にぴったりの新サービスです。Googleしごと検索を導入する際は、
- 求職者とのマッチングのためにできるだけ詳しく情報を盛り込むことが重要
- 対応させるには専門知識が必要な場合がある
- Googleしごと検索に対応している求人サイトもある
といった点がポイントになります。また、無料でありながら求人活動の改善に効果的なサービスのため、これからさらに注目されることは間違いないといえるでしょう。
求人活動でお悩みの採用担当者さんはぜひ導入してみてはいかがでしょうか。
みやあじよでは、Googleしごと検索への対応や魅力的な求人ページ制作も行っています。
お困りの方はぜひお気軽にご相談ください。