クラウドファンディングとは?種類やメリット・デメリットなども解説

2024.08.20

クラウドファンディングとは?

クラウドファンディングとは、クラウド(群衆)とファンディング(資金調達)の造語で、インターネットを通じて不特定多数の人々から資金を募る資金調達方法です。

プロジェクトの実行者が目標金額と期間を設定してその内容をオンラインプラットフォームで公開すると、プロジェクトの趣旨に賛同した支援者が資金提供してくれる仕組みです。

資金調達方法はこれまで金融機関からの融資や、ベンチャーキャピタルなどの出資が一般的でした。

しかし、クラウドファンディングであれば、従来の金融機関を介さずに直接資金調達が可能となりました。

この仕組みにより、クラウドファンディングは新しいアイデアや社会貢献活動の実現を支援する現代的な資金調達方法として、幅広い分野で活用されています。

クラウドファンディングの種類

クラウドファンディングの種類は次の5つです。

  • 購入型
  • 寄付型
  • 融資型
  • 株式投資型
  • ファンド型

それぞれ詳しく解説します。

購入型

購入型とは、支援者が資金を提供し、その見返りとしてプロジェクトの成果物やサービスなどを受け取るタイプのクラウドファンディングです。

新商品やガジェット、アート作品などの開発プロジェクトが多くみられ、プロジェクトが成功すれば、支援者は製品をいち早く入手できます。

そのため、新しいアイデアやユニークな製品に対する関心が高いなどの特徴もあります。

このタイプのクラウドファンディングは、マーケティング効果も期待でき、プロジェクトの初期段階での市場テストとしても有効です。

寄付型

寄付型とは、支援者がプロジェクトに対して資金を寄付するタイプのクラウドファンディングです。

災害支援や教育支援、環境保護など、社会貢献活動や非営利団体のプロジェクトに利用されます。

寄付であるため、他のクラウドファンディングと違って、商品やサービスなどのリターンは基本的に受け取れません。

融資型

融資型とは、クラウドファンディング事業者を仲介して支援者から資金を集めた後、大口化してプロジェクト起案者に融資するタイプのクラウドファンディングです。

名称のとおり、支援者から集めた資金を融資するかたちとなるため、プロジェクトが成功すれば利息つまり、金銭的なリターンを受け取れます。

個人や中小企業の事業資金調達に利用されることが多く、支援者はリターンとして利息を受け取るため、投資としての側面が強いです。

なお、融資型は金融商品の1つとみなされるため、事業者は金融商品取引法などの法令を遵守しなければなりません。

株式投資型

株式投資型とは、資金提供の見返りとして未上場企業の株式を提供するタイプのクラウドファンディングです。

主にベンチャー企業やスタートアップ企業の資金調達で利用され、支援者は企業の成長に伴う株価の上昇や配当を期待して投資します。

ただし、株式投資型は投資制限が設けられており、借り手企業は年間1億円未満、支援者は1社あたり50万円までとなっています。

また、投資リスクも高いため、支援者は企業の将来性やビジネスモデルを慎重に評価しなければなりません。

ファンド型

ファンド型とは、特定の事業に対して出資を募るタイプのクラウドファンディングです。

株式投資型同様、企業の資金調達で利用されるタイプで、支援者は出資額やプロジェクトの収益に応じて金銭的なリターンだけでなく、商品やサービス、割引券などの返礼品が設定されていることも少なくありません。

そのため、プロジェクトによっては金銭的リターンと返礼品を受け取れます。

クラウドファンディングのメリット

クラウドファンディングのメリットは次の4つです。

  • 資金調達の幅を広げられる
  • マーケティング効果が期待できる
  • コミュニティを形成できる
  • 市場の反応を事前にテストできる

それぞれ詳しく解説します。

資金調達の幅を広げられる

クラウドファンディングの最大のメリットは、資金調達の幅を広げられる点です。

従来の銀行融資やベンチャーキャピタルによる資金調達と異なり、クラウドファンディングでは多くの個人から少額ずつ資金を集められます。

これにより、資金調達のハードルが低くなり、幅広い層からの支援を受けられます。

プロジェクトの魅力や社会的意義が高いほど、多くの支援者が集まりやすくなるため、スタートアップ企業や個人クリエイターにとっては、資金調達の手段として非常に有効です。

マーケティング効果が期待できる

マーケティング効果が期待できるのも、クラウドファンディングのメリットです。

クラウドファンディングでプロジェクトを公開すれば、多くの人々に認知させられる他、SNSやメディアを通じて情報を拡散できます。

これにより、プロジェクトや商品の知名度が向上し、潜在的な顧客層へ効果的に訴求できます。

上手く活用できれば強力なマーケティングツールとして機能させられるのも、クラウドファンディングのメリットです。

コミュニティを形成できる

クラウドファンディングを通じて、支援者との強固なコミュニティを形成できます。

プロジェクトに賛同してくれた支援者は、単なる資金提供者ではなく、プロジェクトの成功を共に願う仲間です。

そのため、コミュニティを上手く活用し、支援者同士が交流できる体制を構築できれば、プロジェクトの継続的な盛り上がりを生み出せます。

また、コミュニティを通じて支援者と積極的に交流し、ファン化させられれば、プロジェクト終了後も継続的にサポートを受けられる基盤にもできます。

市場の反応を事前にテストできる

クラウドファンディングは、新しいアイデアや製品の市場反応を事前にテストするための有効な手段です。

プロジェクトを公開することで、実際に市場に出す前に消費者の反応を確認できます。

このフィードバックを基に、製品やサービスを改良することで、事業の失敗リスクの低減が可能です。

また、支援者からの意見や要望を取り入れることで、より市場に適した製品を提供できます。

このように、市場の反応を事前にテストできるのも、クラウドファンディングの大きなメリットです。

クラウドファンディングのデメリット

クラウドファンディングのデメリットは次の4つです。

  • プロジェクト失敗・アイデア盗用のリスクがある
  • 手数料の負担がある
  • 税金を適切に処理する必要がある
  • プロジェクト開始後は内容変更・中止が難しい

それぞれ詳しく解説します。

プロジェクト失敗・アイデア盗用のリスクがある

クラウドファンディングは、プロジェクトが目標金額に達しない場合、資金を受け取れないリスクがあります。

特にAll or Nothing方式では、目標金額に達しなければ全額返金となり、プロジェクトが実行できません。

また、プロジェクト内容を公開する都合上、他者にアイデアを盗用されるリスクも存在するため、注意が必要です。

手数料の負担がある

クラウドファンディングのプラットフォームを利用する際は、集めた資金の5%~20%のプラットフォーム手数料がかかります。

また、決済手数料も別途発生するため、実際に手元に残る資金は目標金額よりも少なくなる可能性があります。

そのため、クラウドファンディングを利用する際は、この手数料負担を考慮に入れて、目標金額を設定しなければなりません。

税金を適切に処理する必要がある

クラウドファンディングで集めた資金は、所得として扱われるため、適切な税務処理が必要です。

税務処理を怠ると、後々の税務調査で問題が発生する可能性があるため、初めてクラウドファンディングを利用する場合は、特に注意しなければなりません。

プロジェクト開始後は内容変更・中止が難しい

クラウドファンディングのプロジェクトは、一度開始すると内容の変更や中止が非常に難しいです。

これは、支援者との信頼関係を保つためであり、プロジェクトの内容が変更されると変更前後で支援者に不公平が生じる可能性があるためです。

また、プロジェクトの中止が可能であっても、プロジェクト開始までの労力が無駄になるなどのデメリットもあります。

そのため、プロジェクト開始前に詳細な計画を立て、変更や中止のリスクを最小限に抑えることが重要です。

おすすめのクラウドファンディング5選

おすすめのクラウドファンディングは次の5つです。

  • CAMPFIRE
  • Makuake
  • READYFOR
  • Green Funding
  • MotionGallery

それぞれ詳しく解説します。

CAMPFIRE

CAMPFIREは、国内最大級のクラウドファンディングです。

ジャンルや規模を問わず、多様なプロジェクトが掲載されている他、企業だけでなく、NPOや学生団体、地方自治体、個人も利用できるため、幅広い層に対応しています。

プロジェクト作成は無料で、成功報酬として17%の手数料(決済手数料5%を含む)がかかります。

Makuake

Makuakeは、サイバーエージェントの子会社が運営する新製品やガジェット、アートなどのプロジェクトに強いクラウドファンディングサイトです。

強力な集客力で多くのプロジェクトが成功しており、新しいアイデアや製品を市場に出したい場合に適しています。

手数料は決済手数料込みで20%となっています。

READYFOR

READYFORは、日本で初めてクラウドファンディングサービスを開始したプラットフォームです。

地域創生や社会貢献ジャンルに強く、国際協力や医療・福祉、教育や街づくりなどのカテゴリが充実しています。

手数料は13.2%(決済手数料込み)と低いため、コストを抑えながら、集客力の高いクラウドファンディングを利用したい方にはおすすめです。

Green Funding

Green Fundingは、TSUTAYAや蔦屋書店を展開するCCCグループのクラウドファンディングサイトです。

プロジェクトの成功率および、リピート率が高いのが特徴で、ガジェットや映画、出版、音楽など、多彩なジャンルのプロジェクトをサポートしています。

Green Fundingの手数料はSTANDARDプランで20%(決済手数料込み)となっています。

MotionGallery

MotionGalleryは、2011年にサービスが開始されたクラウドファンディングです。

映画やアート、写真、音楽、演劇、ダンス、アニメ、ゲームなど、クリエイティブなプロジェクトカテゴリが充実しているため、資金調達に強いクリエイターと相性がよいです。

また、アメリカのクラウドファウンディングサイト「Indiegogo」と業務提携を結んでいるため、海外進出や国際プロジェクトを実施したいクリエイターにも適しています。

なお、MotionGalleryの手数料は国内最安の10%(クレジットカード決済手数料含む)です。

「クラウドファンディング」でよくある質問

「クラウドファンディング」でよくある質問は次の3つです。

  • クラウドファンディングのやり方を知りたいです
  • クラウドファンディングに資格・許可は必要ですか?
  • 目標金額に到達しなかった場合、支援金はどうなりますか?

それぞれ詳しく解説します。

クラウドファンディングのやり方を知りたいです

クラウドファンディングのやり方は、次のとおりです。

  • プロジェクトの目標を設定
  • クラウドファンディングプラットフォームの選定
  • プロジェクトの登録・審査
  • 審査通過後にプロジェクト公開・支援者に向けた活動報告
  • 目標金額に達した場合は資金を受け取り、支援者にリターンを提供

クラウドファンディング成功のためには、プロジェクトの魅力を伝えるプレゼンテーションや、支援者とのコミュニケーションが欠かせません。

クラウドファンディングに資格・許可は必要ですか?

クラウドファンディングを実施する際に特別な資格や許可は基本的には必要ありません。

ただし、プロジェクトの内容・種類によっては、特定の資格や許可が必要となる他、金融商品取引法に基づく登録が必要となる場合があります。

そのため、事前にプロジェクトの内容に応じた法的要件を確認しておくことが重要です。

目標金額に到達しなかった場合、支援金はどうなりますか?

クラウドファンディングの方式は主に次の2つです。

  • All or Nothing方式
  • All in方式

All or Nothing方式では、目標金額に到達しなかった場合、支援金は全額支援者に返金されます。

一方、All in方式では、目標金額に達しなくても集まった資金の受け取りが可能ですが、リターンの提供義務が生じます。

クラウドファンディング まとめ

クラウドファンディングは、インターネットを活用して多数の個人から資金を募る革新的な資金調達方法です。

従来の金融機関からの借入などと比べて敷居が低いことから、新しいアイデアの実現を後押しできる資金調達方法として、幅広いジャンルのプロジェクトで活用されています。

また、「マーケティング効果が期待できる」や「市場の反応を事前にテストできる」など、資金調達の枠を超えた様々なメリットを享受できます。

ただし、利用にあたっては手数料負担をはじめとするデメリットがある他、成功には支援者との信頼関係構築や適切な情報発信、プロジェクトの魅力を効果的に伝える努力が求められます。

そのため、クラウドファンディングを活用する際は、プラットフォームの選択や目標設定、リターンの設計、訴求方法など、戦略的なアプローチが欠かせません。

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