eコマースサイトとは何なのか?
名前は聞いたことがあるけれど、明確に説明しろと言われると難しい…そんな方もいらっしゃると思います。
本記事ではeコマースサイトとは何かから製作する際の注意点、メリット・デメリットの他に開発手順までを解説いたします。
目次
eコマースサイトとは?
eコマースとは、「Electric Commerce」の略称で、日本語では「電子商取引」、簡略的に「EC」ともいいます。電子商取引とは、デジタル(電子的)で行われる取引全般を指す言葉であり、一般的にはネットショッピングといわれています。
したがって、eコマースサイトとは、ECサイトのことであり、電子商取引つまり、ネットショッピングができるサイトのことです。
eコマースサイトの種類・制作費用相場
eコマースサイトの種類および、制作費用相場は次のとおりです。
種類 | 概要 | 制作費用相場 |
ECモール | Amazonや楽天市場などのモール型のサイトに出店する方法 | ~10万円程度 |
パッケージ | 開発会社が販売しているシステムでサイトを制作する方法 | 100万円以上 |
ASP | クラウド上でサイトを制作する方法 | ~100万円程度 |
オープンソース | 無償公開されているeコマースサイトの構築システムでサイトを制作する方法 | 10万円以上 |
フルスクラッチ | イチからオリジナルのサイトを開発する方法 | 500万円以上 |
ただし、制作するeコマースサイトの規模によっても費用相場は大きく変動します。例えば、テンプレートを使用した規模の小さいサイトは10万~100万円程度で制作が可能です。
しかし、機能が複雑でセキュリティも確保する中規模サイトは100万~500万円程度かかります、大規模サイトの場合は500万円~数千万円以上します。依頼する制作会社によっても費用は大きく変動するため、しっかりと見積もりを取り、比較・検討することが大切です。
eコマースサイトの3つのメリット
eコマースサイトのメリットは次の3つです。
- 販売エリアに制限がない
- 膨大なデータを収集できる
- 営業時間に制限がない
それぞれ詳しく解説します。
1.販売エリアに制限がない
eコマースサイトの最大のメリットは、販売エリアに制限がないことです。実店舗の場合、出店場所によって集客に大きな影響を及ぼします。
また、チェーン展開やショッピングモールにテナント出店しない限り、来店者は近隣住民に限定されます。一方、eコマースサイトであれば、インターネットを介してどこにいてもショップにアクセスが可能です。
海外事業として展開すれば、販売エリアを世界に拡大できます。
2.膨大なデータを収集できる
実店舗の場合、収集できるデータは来店者の性別や、おおよその年代、店内での足取り、客単価、購買した商品程度です。より詳細なデータを収集しようとすると、アンケートなどに協力してもらう必要があります。
一方、eコマースサイトは上記データに加えて、サイトを利用した端末やどこからeコマースサイトへアクセスしたかなどのデータを収集できます。また、注文画面に基本情報を入力するフォームを設置すれば、性別や年齢、居住地、職業など、より詳細なデータを収集可能です。
このように、eコマースサイトは実店舗では収集できない詳細なデータを幅広く収集できるため、より精度の高いマーケティング施策を立案できるようになります。
3.営業時間に制限がない
営業時間に制限がないのも、eコマースサイトのメリットです。実店舗は営業時間が設けられているため、営業時間外では当然商品を販売できません。
一方、eコマースサイトは24時間365日稼働させられるため、いつでも商品を販売できて、いつでも売上を作れる状態を作れます。
eコマースサイトの3つのデメリット
eコマースサイトのデメリットは次の3つです。
- 参入障壁が低く競争が激しい
- 顧客とコミュニケーションが取りづらい
- 集客・宣伝がしづらい
それぞれ詳しく解説します。
1.参入障壁が低く競争が激しい
eコマースサイトは実店舗に比べて初期費用を抑えられるため、参入障壁が低いです。また、検索すれば様々な情報を確認できるインターネットの性質上、消費者は複数のeコマースサイトを比較・検討して購買を決定します。
購買決定の大きな要因となるのは価格ですが、参入障壁の低さも相まって、eコマース業界は激しい価格競争が起きています。価格競争で勝てない場合は、独自性を確立したり、ブランド力・商品力を認知したりしていく工夫が必要です。
2.顧客とコミュニケーションが取りづらい
顧客とのコミュニケーションが取りづらいことも、eコマースサイトのデメリットです。商品やサービスの販売機会を取りこぼさないためには、顧客の問い合わせにしっかりと対応する必要があります。
実店舗であればスタッフが常駐しているため、顧客と適切なコミュニケーションを取ることが可能です。しかし、eコマースサイトはスタッフと顧客が顔を合わせられないため、顧客に対して声をかけるなどのコミュニケーションが取れません。
顧客とどのようにしてコミュニケーションを取っていくのかも、eコマースサイトでは考えていく必要があります。
3.集客・宣伝がしづらい
eコマースは販売エリアに制限がない一方で、集客・宣伝がしづらいというデメリットを抱えています。インターネット上が主戦場となるeコマースサイトは、顧客に認知されアクセスしてもらってはじめて商品・サービスの訴求が可能となります。
言い換えれば、運営者側は顧客のアクセス待ち状態であるということです。そのため、集客力を向上させるためには、SEOやネット広告などの施策を実施し、時間をかけて認知度を向上させなければなりません。
eコマースサイトの開発手順
eコマースサイトの開発手順は次の7ステップです。
- 事業計画・コンセプトの明確化
- 要件の定義
- 開発方法の決定
- サイトのデザイン制作
- 商品登録などの各種設定
- 試験運用
- サイトのリリース・運用
それぞれ詳しく解説します。
1.事業計画・コンセプトの明確化
まずは事業計画・コンセプトを明確にしていきます。事業計画はeコマースサイトで売上を上げていくためには欠かせないものであるため、中長期的(最低3年間)な成長目標を定めておくとよいです。
eコマースサイトのコンセプトとは、ターゲット層や商品ラインナップなどを指します。コンセプトが明確でないと、予想図と完成図がぶれてしまうため、開発の最初のステップでしっかりと明確化することが大切です。
2.要件の定義
要件の定義では、eコマースサイトの機能やデザインを検討します。事業計画・コンセプトをもとに自社が必要とするeコマースサイトの機能を洗い出していきます。
また、要件を定義する際は、運営者が使用するサーバーや管理機能といったバックエンドの機能についても洗い出しておかなければなりません。
3.開発方法の決定
要件の定義が完了したら、開発手段や方法を決定していきます。eコマースサイトの開発手段は「自社開発」と「制作会社への依頼」の2つです。
自社開発とは、名称のとおり、自社でeコマースサイトを開発することです。開発のすべてを社内で進められるため、スムーズに開発できます。
ただし、業務負担が増してしまうリスクがある他、Webデザイナーやエンジニアなどの人材が社内にいない場合は、新規採用しなければなりません。人材不足や業務負担増加のリスクがある場合は、制作会社への依頼がおすすめです。
「制作会社への依頼」とは、eコマースサイトの制作を外注することです。時間やコストはかかりますが、Web開発のスキル・ノウハウが豊富なため、複雑な要件にも対応できます。
また、eコマースサイトの開発方法は、「クラウドEC」「オープンソース」「ECパッケージ」「フルスクラッチ」といった様々なプラットフォームがあります。開発方法によって、制作費用が大きく異なるため、どの開発方法が自社に適しているか慎重に検討しなければなりません。
4.サイトのデザイン制作
開発方法が決定したら、eコマースサイトのデザインを制作していきます。サイトデザインは見た目だけでなく、機能の実装や使いやすさ、UIに大きな影響を与えます。
利便性の高いeコマースサイトを制作するためには、サイトデザインをしっかりと作り込まなければなりません。
5.商品登録などの各種設定
サイトデザインの制作が完了したら、eコマースサイトで販売する商品の登録などの各種設定を行います。eコマースサイトの場合、顧客は実際の商品に触れられないため、サイトで掲載されている情報だけで購入するか判断しなければなりません。
そのため、イメージしていたものと違った、サイズが合わなかったなどのクレームが起きやすいです。このようなトラブルを起こさないためには、掲載する写真や記載する寸法に細心の注意を払う必要があります。
6.試験運用
商品登録をはじめとする各種設定が終了したら、試験運用を実施していきます。試験運用では、テスト注文や受発注フローの確認、サイト機能のチェックなど、不具合がないか一通り確認するとよいです。
この際、致命的な不具合があれば修正する他、操作しづらかったり、不満を感じたりする部分は、今後のサイト改善に活かしていきます。
7.サイトのリリース・運用
試験運用を実施、運営の準備が整備されたら、ECサイトのリリース・運用の開始です。AmazonなどのECモールで出店していない場合、既存顧客を除けば、開始直後はサイトへの流入はほぼありません。
そのため、事前告知するなどしてユーザーへの認知度を向上させていきます。また、リリース後も継続してサイトの改善を行い、質の高いサイトにしていくことが大切です。
eコマースサイトを制作する際の5つの注意点
eコマースサイトを制作する際の注意点は次の5つです。
- 改善しやすい仕様にする
- ユーザビリティを意識する
- 目的・コンセプトを明確にする
- 参考サイトを複数用意する
- 予算を立てておく
それぞれ詳しく解説します。
1.改善しやすい仕様にする
eコマースサイトは常に改善し続けなければなりません。アクセス数が伸び悩んでいる場合は新しいコンテンツを追加する必要がありますし、売上や取り扱う商品数が増加すれば、機能の拡張やカスタマイズが必要です。
こういった施策をすぐに反映させるためには、サイトを改善しやすい仕様にしておかなければなりません。
2.ユーザビリティを意識する
ユーザビリティを意識していくことも重要です。デザインにこだわり、機能を充実させたeコマースサイトであっても、使い勝手が悪ければ顧客の離脱を招き、購入にはつながりません。
eコマースサイトを制作する際は、デザインよりも、商品の探しやすさや購入のしやすさなど、顧客が使いやすいサイトになっているかどうかを1番に考える必要があります。
3.目的・コンセプトを明確にする
eコマースサイトを制作する際は、目的・コンセプトを明確にしておくことが大切です。目的・コンセプトが分からない場合、制作会社側もどのようなサイトを制作したいのかイメージできません。
使いやすいeコマースサイトを制作し、売上を確保するためには、制作会社にイメージを共有できるように、目的・コンセプトを明確にしておく必要があります。
4.参考サイトを複数用意する
デザインイメージが分かる参考サイトを複数用意しておくことも大切です。色合いやページデザイン、機能などの参考になるサイトを複数用意すれば、自分のイメージを制作会社に分かりやすく伝えられます。
具体的なデザインイメージを伝えれば、制作会社との解釈の違いをなくせるため、結果として満足のいくeコマースサイトを制作できます。
5.予算を立てておく
eコマースサイトの制作では、予定していなかったカスタマイズなどで追加費用がかかるケースが少なくありません。追加費用がかさんでしまい、費用が足りなくなる可能性もあります。
このような事態にならないためには、どの部分にどれくらいの費用がかかるのか把握したうえで、事前に予算を立てておくことが大切です。また、サイト制作後に保守・点検やサーバー代、コンテンツ制作などのランニングコストが発生する場合は、ランニングコストについても事前に予算を組んでおくとよいです。
eコマースサイト制作の注意点 まとめ
eコマース市場は「販売エリアに制限がない」「膨大なデータを収集できる」などのメリットがあります。そのため、新型コロナウイルスの流行をきっかけに、多くの企業がeコマースサイトを制作しはじめました。
しかし、「参入障壁が低く競争が激しい」などのデメリットも多く、ただeコマースサイトを制作しただけでは売上の拡大は見込めません。サイト制作に失敗しないためにも、当記事で紹介した注意点を参考にしながら、売れるeコマースサイトを制作していきましょう。
みやあじよではご依頼者のご希望を聞きし、適宜アドバイスやご提案をしながら、イメージに沿ったECサイトの制作を行っています。ECサイトの制作を検討しているという方は、1度みやあじよにご相談ください。