ブランディングとは?代表的なブランディング事例や押さえておくべきポイントについて解説

ブランディングとは?代表的なブランディング事例や押さえておくべきポイントについて解説

代表的なブランディング事例3選

代表的なブランディング事例は次の3つです。

  • スターバックス
  • ライフネット生命保険株式会社
  • 星野リゾート

それぞれ詳しくみていきましょう。

1.スターバックス

有名なカフェチェーンであるスターバックスは、ロゴマークをイメージ付けるブランディングを展開しています。他のコーヒーチェーンは手頃感で勝負をしていますが、スターバックスは高級感でおしゃれなイメージを展開することで、高い価格帯を維持できるブランドを確立しました。

ショッピングモールやオフィス街など、高い集客力を見込める場所に出店することで、広告・プロモーションを行わず、認知度の拡大をしています。

2.ライフネット生命保険株式会社

ライフネット株式会社は保険料を抑えることで若者が安心して出産・子育てできる社会の想像を理念に起業した会社です。

そのブランドイメージを訴求・定着させるために、主婦層に対して、低価格・安心・簡単という特徴を、テレビCMを通じて発信しています。

3.星野リゾート

星野リゾートは、リゾートホテルや温泉旅館、スキー場など、幅広い旅のシーンを提供している企業です。自社でしか味わえない特別な時間を演出・提供する企業としてブランディングを行い、それに成功します。

根底にあるのが企業独自の考えに基づいたホスピタリティの徹底です。顧客からの声ではなく、自社のこだわりをサービスに落とし込むことで独自の事業を展開することで、他企業との差別化を図っています。

ブランディングとは?

ブランディングとは、自社の独自ブランドを立ち上げ、ブランドに対する信頼・共感を高めることで自社の価値向上や他社差別化を図るマーケティング戦略のことです。ブランドとは、日本語で「他と区別できるもの」という意味があります。

したがって、ブランディングはブランドを立ち上げて、自国のみならず、世界に浸透させる活動すべてだと解釈して差し支えありません。前項「代表的なブランディング事例3選」で紹介したとおり、多くの企業が独自のビジネス戦略に基づいてブランディングを展開しています。

ブランディングの種類

ブランディングの種類は大きく分けて次の3つです。

  • 商品・事業ブランディング
  • インナーブランディング
  • 採用・育成ブランディング

商品・事業部ブランディングとは、事業をつくるブランディングのことです。テレビCMやインターネット広告、SNSなどの各種媒体を活用して社内外に情報発信することで、事業を成長に導きます。

インナーブランディングとは、企業の文化をつくるブランディングのことです。社内報や社内イベントなどで情報発信を行い、ブランド価値や企業理念などを社内に浸透させていきます。

採用・育成ブランディングとは、人材・組織をつくるブランディングのことです。自社の魅力や他社との差別化ポイントをホームページやSNSなどで発信することで、就職・転職先として自社を選択する動機づけを行っていきます。

Webマーケティングで展開できるブランディング

ブランディングはWebマーケティングを活用して展開していくことも可能です。例えば、企業が所有することが当たり前となっているホームページは、ブランディングに役立てられます。

また、コンテンツマーケティングやアフィリエイト、SNS運用といった施策を実施し、顧客と接する機会を増やすことで、ブランディングすることが可能です。したがって、ブランディングを実施する際は、特別な施策を立案・展開するよりも、Webマーケティングで展開されている施策をブランディングに役立てていくとよいでしょう。

ただし、ブランディングを全く意識せずに各施策を展開してしまうと、効果を最大化することはできません。そのため、ブランディングを意識するとともに、コンセプトや戦略を統一して施策を実施していく必要があります。

プロモーションとの違い

プロモーションとは、新規顧客獲得や販促を目指すマーケティング施策です。一方、ブランディングは、ブランドに対する信頼・共感を高めることで自社の価値向上や他社差別化を図る活動となります。

したがって、施策内容自体はプロモーションとマーケティングは全く異なるものです。しかし、プロモーションによる販促効果を向上させるためには、その前の段階でブランディングによるイメージ向上や認知度向上が欠かせません。

したがって、マーケティング全体でみると、両者には密接な関わりがあります。

マーケティングとの違い

マーケティングとは、商品・サービスを効果的に販売するための活動です。ブランディングとマーケティングはどちらも、商品・サービスを販売するための活動であるものの、ブランディングはユーザーイメージ向上のために行うため、目的が異なります。

ただし、ブランディングはマーケティング施策の1つとして位置付けられているため、ブランディング力が向上すると、マーケティングの費用対効果も向上する関係にあります。

ブランディングが必要な理由

ブランディングが必要な理由は、企業価値が向上し、中長期にわたって高い費用対効果を見込めます。例えば、美味しいコーヒーをおしゃれな空間で飲みたいと想像した際、スターバックスをイメージする方も多いでしょう。

他のコーヒー店と比べると価格は高めですが、新作や美味しさ、雰囲気などを求めて、スターバックスを選ぶ方は少なくありません。このように、ブランディングを成功させて、消費者にブランドイメージが認知されていれば、商品やお店を選ぶ際の候補に挙げてもらえる確率が高くなります。

その結果、集客や販促といった多くのシーンでメリットを得られるようになります。スマホやSNSの普及に伴って、消費者行動は大きく変化しました。

少し古いデータですが、消費者庁が発表した「平成29年版消費者白書」によれば、10代後半や20代の多くが有名人・知人は発信するSNS情報をきっかけに商品・サービスを購入しています。

このような状況下で集客力や売上を向上させていくためには、ブランディングが欠かせません。

ブランディングを行う具体的な3つのメリット

ブランディングを行う具体的なメリットとして次の3つが挙げられます。

  • 広告コストを抑えられる
  • ロイヤルユーザーの獲得
  • 価格競争から脱却できる

それぞれ詳しくみていきましょう。

1.広告コストを抑えられる

ブランディングを行う最大のメリットは、広告コストを抑えられる点です。ブランディングによってブランドを確立できれば、既存顧客を囲い込めるため、広告宣伝費用を大幅に削減できます。

また、囲い込んだ既存顧客をロイヤルユーザーにできれば、ロイヤルユーザーがアンバサダー的な立場となって口コミを広げてくれる可能性が高くなります。これにより、ロイヤルユーザーが1種の宣伝媒体として機能してくれるため、そこから新規顧客の獲得が可能です。

インフルエンサーや有名人がSNSで発信してくれれば、既存広告以上の効果を得られる場合もあります。

2.ロイヤルユーザーの獲得

ロイヤルユーザーとは、様々なブランドの中から自社ブランドを利用しているロイヤリティの高い、トップ層のユーザーのことです。ロイヤルユーザーは多くの面で企業ブランディングに良い影響を与えてくれます。

例えば、ロイヤルユーザーはリピート率が高く、新規顧客と比べると購買単価が高いため、売上向上に寄与してくれます。また、ロイヤルユーザーの中にはフィードバックを行ってくる方もいるため、サービスの改善にも大きな影響を与えてくれる存在です。

また、前項「1.広告コストを抑えられる」でも触れたとおり、口コミの発信など、1種の広告媒体としても機能してくれるため、新規顧客の獲得にも価値を発揮します。

3.価格競争から脱却できる

価格競争から脱却できるのもブランディングの大きなメリットです。価格はユーザーの購買意思に大きな影響を与えています。

ユーザーが安価なものに流れている現代では、競合他社同士で値下げ競争が起きているのが現状です。企業ブランディングをしっかりと行っていれば、このブランドから、この企業の商品だから買うという購買心理に変化を生じさせて、価格以外の購買要因を生み出せます。

ブランディングによって価格以外で購買につなげられる付加価値を生み出すことができれば、価格競争から脱却することが可能です。

ブランディングの7ステップ

ブランディングを行う際の手順は次の7ステップです。

  1. 方向性の明確化
  2. 社内全体で共有
  3. コンセプトの明確化
  4. ブランドアイデンティティ・ブランド価値の設定
  5. ブランド名・ロゴの作成
  6. タッチポイントの設定
  7. ブランディングの開始・効果検証

それぞれ詳しくみていきましょう。

1.方向性の明確化

ブランディングを行うためには、まずブランドの方向性を明確にしなければなりません。

3C分析や5フォース分析、PEST分析といった各種手法を駆使して、自社・競合他社の強み・弱みや業界の状況などを分析し、成功確立の高いブランドの方向性を決定しましょう。

2.社内全体で共有

経営陣がブランドの方向性を定めても、実際に施策を行っていくのは現場の従業員です。したがって、社内全体でブランドの方向性が統一されていないと、ユーザーに不信感を抱かせてしまい、それが理由で顧客離れにもつながりかねません。

このような事態を避けるためには、ブランディングの必要性やメリット、ブランドの方向性を社内全体で共有していく必要があります。

3.コンセプトの明確化

ブランドの方向性が明確になったら、ターゲット層およびターゲットに訴求できるブランドコンセプトを明確にしていきます。訴求する相手や目的、どんな機能が歓迎されるのか、この段階で決めていきましょう。

この際、ターゲットが理解できる言葉で、ブランドコンセプトの言語化も行っていきます。

4.ブランドアイデンティティ・ブランド価値の設定

ブランドアイデンティティとは、こんなイメージを持たせたい、ターゲットにこう感じてもらいたいといった企業が作り上げる目標のことです。ブランドアイデンティティは、提供できる価値が分かるものや、愛着を持ってもらいやすいものを設定しましょう。

こうすれば、ブランド名や企業名を見ただけで、ユーザーにそのイメージを連想してもらいやすくなります。

また、ブランド価値もしっかりと設定しなければなりません。ブランド価値とは、ユーザーがブランドから得られる予備の度合いのことです。

競合他社との差別化やブランド力向上を図るためにも、ブランドの価値はしっかりと設定しましょう。

5.ブランド名・ロゴの作成

ブランド名やロゴは視覚情報としてユーザーの記憶に残る重要な要素です。ブランド名や分かりやすく、ユーザーが勘違いしないように、競合他社に似たブランド名にしないようにしましょう。

また、ロゴはあらゆる場面で使用されます。そのため、コンセプトや価値観に合ったデザインにする他、拡大縮小しても分かりやすいものにしなければなりません。

6.タッチポイントの設定

タッチポイントとは、ターゲットユーザーのブランドの接点です。例えば、SNSの投稿を見てブランドを認知する、テレビCMを見てブランドを認知するなどがこれに該当します。

ただ、タッチポイントはブランドの認知だけでなく、ブランドへの想いをターゲットにしっかりと伝えなければなりません。想いを伝えるためには、ブランドイメージを明確にし、ターゲット層がどの媒体に多く触れているのかを把握したうえで、タッチポイントを設定する必要があります。

7.ブランディングの開始・効果検証

タッチポイントまで設定して、ようやくブランディングを行います。ただし、施策を開始したら終了というわけではありません。

一定期間経過した後、ブランド認知度の検証を行い、どの程度の成果が出ているのか、ターゲットがブランドにどのようなイメージを持っているか検証します。

検証結果が悪ければ、タッチポイントの再設定や媒体の見直しなどを行い、再度ブランディングを実施していきます。

ブランディングのまとめ

ブランディングは自社の価値向上や他社差別化を図るマーケティング戦略のことです。ブランディング戦略に基づいた商品・サービスの開発・提供を行えば、広告コストの削減や、ロイヤルユーザーの獲得などのメリットを享受できるようになります。

インターネットやSNS普及による購買行動の変化などにより、商品・サービスをただ開発し販売するだけでは十分な売上を得られなくなりました。自社の競争力を維持・向上させて企業を存続させていくためには、自社のブランディングを強化していくことが大切です。

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