デジタルマーケティングってなに?概要や代表的な手法などを解説

2023.08.17

デジタルマーケティングとは?

デジタルマーケティングとは、SNSやWebサイトなどのデジタルメディアや、ARといったデジタル技術を活用したマーケティング活動全般のことです。

いわば、マーケティングのデジタル化であり、様々なチャネルとデジタル技術を組み合わせることで、マーケティング成果の獲得を目指します。

ここではデジタルマーケティングを次の4項目に分けて解説します。

  • デジタルマーケティングの目的
  • デジタルマーケティングの特徴
  • Webマーケティングとの違い
  • インバウンドマーケティングとの違い

それぞれ詳しくみていきましょう。

デジタルマーケティングの目的

デジタルマーケティングの目的は、高精度な「One to Oneマーケティング」の実現です。One to Oneマーケティングとは、データに基づいたマーケティング手法のことで、顧客一人ひとりに、適切なコミュニケーションやアプローチを行います。

従来のマーケティングは、テレビ・ラジオCMや新聞・電車・雑誌といった広告で商品を認知してもらい、来店や問い合わせにつなげていました。しかし、1人1台がスマホを持ちインターネットが普及した現代では、消費者は購入前にECサイトや口コミなどを確認し、時間かけて吟味するようになっています。

また、購入方法も来店して購入するのではなく、口コミなどを確認した後、ECサイトで購入するようになりました。このような時代に背景もあり、現在では顧客との関係性や絆を深めて、購入前にあの企業から購入しようと第一想起できる状態を目指さなければなりません。

これらを実現する手法として、デジタルマーケティングが注目されるようになりました。

デジタルマーケティングの特徴

デジタルマーケティングの特徴として次の2つが挙げられます。

  • オムニチャネル
  • データトリブン

それぞれ詳しくみていきましょう。

オムニチャネル

オムニチャネルとは、「すべての接点」という意味で、ECサイトといったWeb上のチャネルとリアル店舗を分けることなく、1つにまとめることを指します。ECサイトで注文して最寄りの店舗で商品を受け取ったり、ECサイトで最寄り店舗の在庫状況を確認したりするなど、顧客はECサイトとリアル店舗を分けて捉えていません。

顧客に商品・サービスを提供している企業は、各チャネルに焦点を当てるのではなく、すべてのチャネルに境目をなくして、総合的に利用できる状態を目指す必要があります。すべてのチャネルの境目をなくせば、実店舗で得られた購買データだけでなく、アプリやECサイトで得られた購買・行動履歴といったあらゆるデータを収集することが可能です。

デジタルマーケティングは、これら収集したデータを掛け合わせて実施していきます。

データドリブン

データドリブンとは、データの分析によって顧客を理解し、分析結果にもとづいて顧客にアプローチすることです。もう少し具体的に表現すると、効果測定できる環境を整備したうえでKPIを設定し、マーケティングを実施していくことを指します。

ただし、オムニチャネルだけでは、効果測定できる環境整備としては不十分です。そのため、データを収集・蓄積できるデジタルツールの導入・活用が欠かせません。

Webマーケティングとの違い

Webマーケティングとは、Webサイトに適用されるマーケティング手法です。Webサイト内における顧客のアクセス行動を追うことで、課題点や顧客ニーズを探り、Webコンテンツを改善していきます。

一方、デジタルマーケティングは、オムニチャネルやデータドリブンなどによって、あらゆるデータを収集・蓄積・分析し、分析結果をもとに顧客一人ひとりに、適切なコミュニケーションやアプローチを行うマーケティング手法です。

そのため、Webマーケティングは、デジタルマーケティングの1部と解釈できます。

インバウンドマーケティングとの違い

インバウンドマーケティングとは、見込み顧客の方から商品・サービスを見つけてもらうマーケティング手法のことです。ポップアップ広告やリマーケティング広告など、見込み顧客を追いかけるプル型のマーケティング手法全般を指し、売り込まない手法ともいわれています。

インバウンドマーケティングもデジタルマーケティングの1部です。注力する対象が絞られているだけで、両者に大きな違いはありません。

デジタルマーケティングの3つのメリット

デジタルマーケティングのメリットとして次の3つが挙げられます。

  • 成果をリアルタイムで把握できる
  • 属性の分析が行える
  • 効果を検証できる

それぞれ詳しくみていきましょう。

1.成果をリアルタイムで把握できる

テレビCMや新聞広告といったオフラインマーケティングの場合、どこから流入したのか、どのような経緯で広告に至ったのかなどを正確に把握できません。しかし、Webサイトは閲覧数などの成果をリアルタイムで把握できます。

また、訪問者の使用しているデバイスや閲覧したページ、行動履歴、訪問元ページなど、様々なデータを確認することが可能です。デジタルマーケティングであれば、これらのデータを元にすることで、注力すべきチャネルを判断できるため、効率的に戦略を立てられます。

2.属性の分析が行える

適切なツールを組み合わせれば、全売上記録から顧客が最初にブランドと接点を持ったタイミングまでさかのぼれます。これを属性(アトリビューション)分析といい、顧客がそのブランドについて調べて購入するまでの傾向を特定することが可能です。

特定できれば、マーケティングにといて注力すべき分野やセールスサイクルの改善部分などを正確に把握できるようになります。

3.無料配布の効果を検証できる

製品カタログもコンテンツの1種ですが、従来のように印刷して郵送配布してしまうだけでは、どのような効果があるのか検証できません。しかし、カタログを電子化し、Webサイト上に掲載すれば、ページを閲覧した人数を測定できるため、どれだけ効果があるのかが把握できます。

また、フォームを使用してカタログをダウンロードする形式を取れば、相手の連絡先も収集できるため、見込み顧客の獲得にもつなげられます。

デジタルマーケティングの動向

デジタルマーケティングの動向を次の3項目に分けて紹介します。

  • Cookieの利用規制
  • 新型コロナウイルスによる急速なデジタル化
  • マーケティングへのAI導入

それぞれ詳しくみていきましょう。

Cookieの利用規制

Cookieとは、Webサイトの訪問者の情報を記録するものです。Webサイトに1度ログインして離脱した後で再訪問した際、ログイン情報を入力しなくてもアクセスできるのはCookieのおかげです。

しかし、個人情報保護の観点から法が整備されたことで、Cookieの規制は強化され、顧客の同意なしにCookieで情報収集できなくなっています。そのため、Cookieの情報を活用して効果を高めていたリターゲティング広告はCookieの規制によって、大きな影響があるといわれています。

Cookie規制によってデジタルマーケティングは新しい領域に突入しているといっても過言ではありません。

新型コロナウイルスによる急速なデジタル化

新型コロナウイルスによって、急速にデジタル化が進み、デジタルマーケティングの重要性は今まで以上に高まっています。特にその傾向が顕著なのが「飲食業界」です。

外出自粛による巣ごもり需要の拡大、感染対策による飲食行為の一部制限などによって、飲食業界は大きなダメージを受けました。その結果、急速にデジタル化が進み、Uber eatsといったデリバリーサービス、アプリやWebサイトから注文・決済したうえでテイクアウトできるシステムが増えました。

また、ECサイトを活用してオンラインで商品を購入できる店舗も増えています。小売業や服飾業界も同様な傾向にあることから、新型コロナウイルスによって、実店舗が主体の業界でもデジタル化が進み、デジタルマーケティングが重要視されています。

マーケティングへのAI導入

近年はマーケティングにAIを導入する企業も増えています。デジタルマーケティングにAIを導入すれば、複雑化している消費者行動を予測することが可能です。

そのため、退会しそうな会員に特典を用意したり、購入後のフォローを行ったりして退会を留まらせる施策を講じることができます。また、消費者の購入・行動・閲覧履歴などから、関連商品の情報を提供できるため、利益率の向上にも寄与できます。

デジタルマーケティングで収集したデータをAIで分析することで、精度の高いアプローチを素早く実施することが可能です。

デジタルマーケティングの代表的な手法

デジタルマーケティングの代表的な手法として次の3つが挙げられます。

  • アクセス解析
  • 各種SEO対策
  • インターネット広告

それぞれ詳しくみていきましょう。

1.アクセス解析

アクセス解析とは、Web上の顧客の行動や属性をアクセス解析ツールで分析し、サイトの課題発見や効果検証を行う手法です。

どのようなユーザーが訪問し、どのような行動を行っているのか可視化できるため、新しい施策を打てるようになります。

2.各種SEO対策

SEOは顧客が検索エンジンで検索した際、自社のWebサイトやWebページが検索結果の上位に表示するように行う施策のことです。

Webサイト全体で行うSEO対策、コンテンツを活用してコミュニケーションを取るコンテンツSEO、来店を促すために行う地域性に注力したローカルSEOなどがあります。

デジタルマーケティングの目的に応じたSEO対策を実施していくことが大切です。

3.インターネット広告

インターネット広告とはネット上に掲載されている広告のことです。リスティング広告やSNS広告、ディスプレイ広告など、インターネット広告はタイプ別に様々あります。

そのため、目的や予算に応じて、適切に使い分けていくことが大切です。

これらの手法はあくまで代表的なものであり、デジタルマーケティングは他にも様々な手法があります。そのため、自社の課題や目的に応じて、適切な手法を採用していきましょう。

デジタルマーケティングを行う際のポイント

デジタルマーケティングを行う際のポイントとして次の3つが挙げられます。

  • 目的を明確にする
  • ターゲットユーザーを理解する
  • フェーズごとに提供するコンテンツを最適化する

それぞれ詳しくみていきましょう。

1.目的を明確にする

デジタルマーケティングを行う際は、目的を明確にすることが大切です。問い合わせや資料請求のコンバージョン数向上や新規顧客の獲得など、デジタルマーケティングの目的は企業によって様々です。

デジタルマーケティングにもWebマーケティングやインバウンドマーケティングといった様々な施策があり、目的別に効果的な手法は異なります。デジタルマーケティングの目的を明確にしておけば、各施策に対して適切な効果測定や投資判断を下せるため、無駄なくマーケティングを実施できます。

2.ターゲットユーザーを理解する

デジタルマーケティングを行う際は、ターゲットユーザーをしっかりと理解することが大切です。近年、動画マーケティングがトレンドだから行う、ネット広告は費用対効果が高いなど、手法論ベースで取り組む方が少なくありません。

しかし、コミュニケーションをしっかりと設計していなければ、デジタルマーケティングで成功を勝ち取ることはできません。誰に・どこで・どのようにコミュニケーションを取るべきかを整理し、ターゲットユーザーを理解することが、デジタルマーケティングを成功させる大切なポイントです。

3.フェーズごとに提供するコンテンツを最適化する

デジタルマーケティングはフェーズごとにコンテンツを最適化させることが大切です。フェーズは大きく分けて次の3つに分類されます。

  • 認知
  • 情報収集
  • 比較・検討

認知は、広告やSNS、SEO施策によって、認知度を高めるフェーズとなります。近年は、YouTubeやTikTok、Instagramのショート動画を活用する企業も増えてきました。

情報収集は、顧客が課題に対して、どの解決策が適切か検討しているフェーズです。メルマガやウェビナーなどによってより詳細な情報を提供していくとよいでしょう。

比較・検討は、最終決定のフェーズです。導入事例や既存顧客のインタビュー、お客さんの声など、不安をなくしてサービスの導入を後押しできるコンテンツが有用です。

デジタルマーケティングのまとめ

消費者行動の変化やリアル店舗とECサイトの一体が当たり前となった現代で顧客を獲得していくためには、デジタルマーケティングが必須です。しかし、デジタルマーケティングは様々な手法があるため、ただやみくもに行っていても効果は得られません。

目的やターゲットユーザーを明確にしたうえで、効果を期待できる手法を用いることが、デジタルマーケティングを成功させるポイントです。

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