ホームページ制作費は、制度と事業計画によって補助対象になる場合と、明確に対象外となる場合があります。「ホームページを作るから使える」と制度名だけで判断してはいけません。
2026年8月31日時点では、小規模事業者持続化補助金<一般型・通常枠>第20回の「ウェブサイト関連費」は条件付きで対象になり得ます。一方、デジタル化・AI導入補助金2026の通常枠では、ホームページ制作とECサイト制作は補助対象外です。
確認日:2026年8月31日
公募要領や期限は改定されます。申請を検討するときは、必ず最新の公式ページと公募要領を確認してください。この記事は採択や受給を保証するものではありません。
ホームページ制作に使える補助金の結論
| 制度・探し方 | ホームページ制作費 | 2026年8月31日時点の要点 |
|---|---|---|
| 小規模事業者持続化補助金<一般型・通常枠>第20回 | 条件付きで対象になり得る | 販路開拓等が目的。ウェブサイト関連費だけの申請は不可で、同経費の補助金交付申請額上限は30万円(税込) |
| デジタル化・AI導入補助金2026 | 対象外 | 通常枠FAQがホームページ制作とECサイト制作を対象外と明記 |
| 自治体・地域の支援制度 | 制度ごとに異なる | 所在地、業種、目的、対象経費、公募期間を実施機関の公式情報で確認 |
補助金を先に選ぶのではなく、「誰に何を届け、どの成果を目指すサイトか」を決めてから制度を探すのが基本です。単なる会社案内や見た目の変更では、制度の目的と結び付かないことがあります。

2026年に確認したい2つの全国制度
小規模事業者持続化補助金は条件付きで対象になり得る
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者等が経営計画に基づいて行う販路開拓や、それと併せて行う業務効率化を支援する制度です。第20回公募要領では、対象経費の一つに「ウェブサイト関連費」があります。
ウェブサイト関連費は、販路開拓等のためのホームページやECサイト、システムの開発・構築・更新・改修・運用に要する経費です。商品販売用サイトの作成・更新、作業内容と効果が明確なSEO対策、サイト掲載用の宣材写真・画像・動画の制作などが対象例に挙げられています。
ただし、次の条件を見落とさないでください。
- ウェブサイト関連費だけでは申請できず、ほかの対象経費と一緒に申請する必要がある
- ウェブサイト関連費の補助金交付申請額上限は30万円(税込)
- 経営計画に基づく販路開拓等の取組である必要がある
- 補助事業期間内にサイトを運用開始できなければ対象外例に該当する
- 50万円(税抜)以上で作成・更新したサイトやシステムは、処分制限財産に該当する場合がある
第20回の通常枠は、補助上限50万円、補助率2/3です。インボイス特例や賃金引上げ特例には別の要件があります。自社が小規模事業者に当たるか、過去の採択・報告状況を含めて対象者要件を確認してください。
第20回は2026年11月5日に申請受付開始、事業支援計画書(様式4)の発行受付締切が12月4日、申請受付締切が12月15日17時と案内されています。予定は変更される場合があり、2026年8月31日時点で電子申請は準備中です。
出典:小規模事業者持続化補助金<一般型・通常枠>第20回 公募要領 第8版、申請について
デジタル化・AI導入補助金ではホームページ制作が対象外
デジタル化・AI導入補助金2026は、旧称をIT導入補助金といい、生産性向上に役立つITツールの導入を支援する制度です。通常枠で対象となるのは、事務局に登録されたITツールを、登録されたIT導入支援事業者から導入する費用です。
公式の通常枠FAQは、「ホームページ制作(ECサイト制作含む。)」を補助対象外と明記しています。決済や問い合わせ機能を付ければ自動的に対象になる、という理解も避けるべきです。検討しているソフトウェアやクラウドサービスが対象かどうかは、登録ITツールと公募要領で別に確認します。
出典:デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠 よくあるご質問、デジタル化・AI導入補助金2026 公式サイト

新規制作なら対象、リニューアルなら対象外とは限らない
新規制作かリニューアルかだけで対象可否は決まりません。持続化補助金第20回の公募要領では、ウェブサイトの「作成」だけでなく「更新」「改修」もウェブサイト関連費の説明に含まれています。
重要なのは、経営計画に基づく販路開拓等の取組として、何を変え、誰へ届け、どの成果につなげるかを説明できることです。古いデザインを新しくするだけ、保守更新だけ、公開後の成果確認ができない計画では、制度の目的との結び付きが弱くなります。
制作内容を整理するときは、先にホームページ制作会社へ相談する前に準備したいことを確認し、目的、対象顧客、必要ページ、問い合わせ導線を言葉にしておくと、補助事業計画と制作見積のずれを減らせます。
ホームページ制作に使える制度を探す4ステップ
1. サイトを作る目的と成果を決める
「サイトを作りたい」ではなく、「新しい顧客層へ商品を販売する」「予約受付をオンライン化する」「既存顧客へ新サービスを案内する」など、事業上の課題と成果を決めます。補助金は制作費を安くするためだけの制度ではなく、政策目的に沿う事業を支援するものだからです。
2. 国と地域の公式検索入口で候補を探す
- ミラサポplus:経済産業省・中小企業庁による主要制度と公募スケジュールの入口
- J-Net21 支援情報ヘッドライン:国・都道府県等の支援情報を地域、業種、期間などで検索
- 都道府県・市区町村の公式サイト:所在地限定の制作・販促・DX支援を確認
- 地域の商工会・商工会議所、産業支援機関:自社の所在地、業種、目的に近い制度を相談
検索一覧は候補を見つける入口です。対象になるかの最終確認は、実施機関が公開する最新の公募要領、FAQ、申請ページで行います。
3. 公募回と対象経費をセットで読む
同じ制度名でも、公募回によって対象経費、上限、申請期間、必要書類が変わります。古い年度の記事やPDFを根拠にせず、次の順番で確認しましょう。
- 公式トップで現在募集中または受付予定の公募回を特定する
- 最新版の公募要領と更新日を確認する
- 対象者、対象事業、対象経費、対象外経費を読む
- 申請締切より早い、支援計画書や事前登録の締切を確認する
- 交付決定前の契約・発注・支払いの扱いを確認する
4. 分からない条件は実施機関へ確認する
「自社の制作内容がどの経費区分か」「既存契約の更新が対象か」など、個別事情で判断が分かれる場合があります。制作会社の説明だけで確定せず、実施機関や地域の商工会・商工会議所へ確認してください。
申請前に確認する7項目
- 事業目的:単なる会社紹介ではなく、販路開拓や生産性向上へつながるか
- 対象者:規模、業種、所在地、設立時期、過去採択・報告などの要件を満たすか
- 対象経費:制作、改修、撮影、SEO、運用など、見積の各項目が公募要領に対応しているか
- 経費上限と組合せ:サイト費だけで申請できるか、経費区分ごとの上限があるか
- 発注時期:交付決定前の契約・発注・支払いが対象外にならないか
- 実施期限:公開、運用開始、支払い、証憑整備まで期間内に終えられるか
- 最終確認:公式公募要領とFAQを読み、必要に応じて実施機関へ確認したか
補助金は原則として後払いです。採択されても、必要な自己資金、交付決定後の発注、実績報告、証拠書類の提出などが続きます。採択されない場合や、対象外経費が生じる場合も想定した予算にしてください。
サイト制作・更新の費用感は、ホームページの更新を頼むときの料金目安も参考にしながら、補助対象分と自己負担分を分けて見積もると確認しやすくなります。
補助対象の可能性を考える3つのケース
同じホームページ制作でも、事業目的と見積の内容で確認すべき点が変わります。次の例は採択可否を示すものではなく、公募要領を読むときの考え方です。
新商品を販売するECサイトを作りたい
新しい顧客層へ商品を販売するためのECサイトは、持続化補助金第20回の対象経費例に近い取組です。ただし、ECサイト費だけでは申請できません。ほかの対象経費との組合せ、販売計画、公開期限、経費上限を確認します。デジタル化・AI導入補助金では、ECサイト制作そのものは対象外です。
会社案内サイトの見た目だけを新しくしたい
デザインの刷新だけでは、販路開拓等との結び付きを説明しにくい場合があります。問い合わせ対象を変える、商品ページを追加する、予約導線を改善するなど、事業課題と成果を明らかにしたうえで、それでも制度目的に合うかを確認します。補助金に合わせて目的を後付けするのではなく、必要な制作を先に定義することが重要です。
業務システムとホームページを同時に導入したい
顧客管理や会計などのITツールと、公開ホームページの制作は、同じ「デジタル化」でも経費区分が異なります。デジタル化・AI導入補助金の登録ITツールが対象になり得ても、ホームページ制作費まで対象になるとは限りません。見積書を分け、各制度で同一経費を重複計上しないようにします。
採択から入金までを見越して制作日程を組む
申請締切に間に合っても、すぐ制作を始められるとは限りません。持続化補助金では、採択通知と交付決定は別の段階です。公募要領は、交付決定通知に記載された交付決定日から補助事業を開始できると案内しています。
- GビズIDプライムを準備する
- 経営計画と補助事業計画を作る
- 商工会・商工会議所へ事業支援計画書の発行を依頼する
- 電子申請し、審査結果を待つ
- 採択後、必要な見積書等を提出して交付決定を待つ
- 交付決定後に契約・発注し、期間内に制作、公開、支払いを完了する
- 成果物、請求書、支払証憑などをそろえて実績報告する
- 補助金額の確定後に請求し、補助金を受け取る
制作会社には「いつまでに公開したいか」だけでなく、申請予定日、交付決定の見込み、実績報告の期限も伝えます。交付決定が遅れた場合に、公開範囲を調整できるか、補助金を使わず実施するか、中止するかも事前に決めておくと安全です。
見積書は作業と成果物が分かる単位に分ける
「ホームページ制作一式」だけの見積では、対象経費と対象外経費の確認が難しくなります。公募要領は、見積金額に複数項目が含まれる場合、その内訳を示すよう求めています。
| 見積項目の例 | 成果物・作業の示し方 | 確認すること |
|---|---|---|
| 企画・設計 | 要件定義、サイト構成、画面設計 | 制度上の経費区分と成果物 |
| デザイン・実装 | ページ数、テンプレート数、機能 | 新規制作・改修の範囲 |
| 撮影・画像・動画 | 点数、用途、権利、納品形式 | サイト掲載用として対象例に当たるか |
| SEO対策 | 調査、改修箇所、設定、報告書 | 効果と作業内容が明確か |
| 保守・運用 | 期間、作業内容、月額 | 補助事業期間を超える部分の扱い |
| 対象外でも必要な費用 | ドメイン、通常保守、社内作業など | 自己負担として別管理するか |
最終的な経費区分は、制作会社ではなく公募要領と実施機関の確認に基づいて判断します。見積を細分化する目的は、対象経費を無理に増やすことではなく、申請内容と実際の発注・成果物・支払いを一致させることです。
制作会社へ相談する前に用意したい情報
補助金の公募要領と制作見積がかみ合うよう、少なくとも次の情報を共有します。
- 検討している制度名、公募回、公式URL
- 事業の課題、対象顧客、販路開拓の方法
- 新規制作か改修か、必要なページ・機能・コンテンツ
- 対象経費にしたい作業と、対象外でも必要な作業
- 申請、交付決定、制作、公開、支払い、実績報告の希望日
- 見積書に必要な内訳、相見積の要否、成果物の証明方法
制作会社が補助金申請の可否や採択を保証できるわけではありません。申請判断は公式情報と実施機関の案内を基準にし、制作会社には、サイトの目的、仕様、見積、工程、成果物を具体化してもらう役割を求めましょう。
ホームページ制作と補助金のよくある質問
ホームページを作れば必ず補助対象になりますか?
なりません。制度の対象者・対象事業・対象経費・期間をすべて満たす必要があります。対象経費にサイト制作があっても、事業目的との結び付きや申請内容が審査されます。
リニューアル費は対象外ですか?
一律に対象外とはいえません。持続化補助金第20回では更新・改修もウェブサイト関連費の説明に含まれます。ただし、販路開拓等の目的、具体的な作業、対象外経費、実施期限などの確認が必要です。
デジタル化・AI導入補助金でECサイトを作れますか?
2026年の通常枠FAQでは、ホームページ制作とECサイト制作は補助対象外です。登録ITツールの導入を検討している場合は、サイト制作と切り分けて公式のITツール検索と公募要領を確認してください。
採択前に制作を始めてもよいですか?
交付決定前の契約・発注・支払いは、補助対象外になることがあります。「採択」と「交付決定」も同じではありません。公式の手続フローを確認し、制作会社との契約時期を先に合わせてください。
補助金を前提に予算を組んでもよいですか?
採択されない場合、申請額から減額される場合、経費の一部が対象外になる場合があります。補助金は後払いであるため、自己資金と不採択時の代替計画を用意したうえで判断しましょう。
公式情報を確認してからホームページ制作を計画しよう
ホームページ制作に補助金を使えるかは、制度名ではなく、最新の公募回、自社の要件、事業目的、対象経費、発注時期で決まります。
- 持続化補助金第20回は、ウェブサイト関連費が条件付きで対象になり得る
- デジタル化・AI導入補助金2026では、ホームページ制作とECサイト制作は対象外
- 国と地域の公式検索入口から候補を探し、最新の公募要領と実施機関で確定する
- 交付決定前に発注せず、不採択と後払いを含む資金計画を用意する
まずは補助金の有無とは切り離して、ホームページで解決したい課題と必要な成果を整理してください。そのうえで条件に合う制度が見つかった場合だけ、申請と制作の工程を組み合わせるのが安全です。