スマホ最適化とは?
「スマホ最適化」とは、パソコンの画面サイズに合わせてデザインされているホームページをスマホ用に最適化することです。「モバイル対応」や「スマホ対応」、タブレット端末を含めて最適化する際は「マルチデバイス対応」と呼ばれることもあります。
パソコンに合わせてデザインされたホームページをスマホで表示すると、文字などが小さく表示されたり、クリックといった各種操作がしづらかったりします。そこで必要となるのが、スマホ最適化です。
スマホ最適化を行えば、文字の大きさや画面サイズ、行間などがスマホに合わせたデザインとなるため、スマホでもホームページを快適に閲覧できるようになります。
スマホ最適化を行うべき3つの理由
スマホ最適化を行うべき理由として次の3つが挙げられます。
- スマホ保有率の増加
- モバイルフレンドリーの登場
- モバイルファーストインデックスへの移行
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.スマホ保有率の増加
スマホ最適化を行うべき最大の理由が「スマホ保有率の増加」です。総務省が公表した「令和4年 情報通信白書」によれば、2021年のスマホ保有率(モバイル端末全体)は、約9%でした。
また、「令和3年 情報通信白書」によれば、個人のインターネット利用端末の約6.8割はスマホであり、約5割のパソコンを上回っています。ユーザー層やホームページの特長によって、違いはあるものの、スマホ保有率ならびに利用比率は確実に増加しています。
ユーザビリティの高いホームページを運用・提供していくためには、スマホ最適化は欠かせない施策だといえるでしょう。
2.モバイルフレンドリーの登場
スマホ最適化を行うべき理由としては、「モバイルフレンドリーの登場」も挙げられます。「モバイルフレンドリー」とは、2015年4月にGoogleが実装したアルゴリズムです。
スマホ保有率・利用率の増加を背景に導入されたアルゴリズムで、簡単にいえば「スマホでも閲覧・操作しやすいホームページか」をチェックするための評価基準のことです。
モバイルフレンドリーはSEOにおいて重要視されている施策の1つといわれており、スマホ最適化によってモバイルフレンドリー化しているホームページは、最適化していないホームページよりも検索上位に表示されやすいといわれています。
3.モバイルファーストインデックスへの移行
「モバイルファーストインデックス」とは、モバイル版のコンテンツを優先的に用いて、Googleの評価ならびにインデックス登録を行うことを指します。簡単にいえば、現在ホームページの情報収集および評価を行っているクローラから、スマホ用のGooglebotに変更されるということです。
これにより、スマホ最適化されているホームページの方が優先的にインデックスをされるようになり、ページ評価もスマホ最適化されたものの方が高くなります。このように、Googleの評価基準はパソコン主体からスマホ主体となっています。
Googleの評価基準がスマホ主体となった現代において、スマホ最適化はホームページ運用には欠かせない施策といえるでしょう。
ホームページをスマホ最適化させる方法
ホームページをスマホ最適化させる方法として次の2つが挙げられます。
- レスポンシブWebデザインの採用
- スマホ専用ホームページを別途制作
それぞれ詳しくみていきましょう。
レスポンシブWebデザインの採用
ホームページのスマホ最適化において、最も有名な方法が「レスポンシブWebデザイン」です。レスポンシブWebデザインとは、単一のホームページでパソコンやスマホ、タブレットといった画面サイズが異なるデバイスに対応できるWebデザインです。
レスポンシブWebデザインを採用すれば、画面サイズに応じて、ホームページのレイアウトが自動で変動します。そのため、デバイスごとに複数のホームページを制作する必要がありません。
スマホ専用ホームページを別途制作
スマホ最適化の方法としては、パソコン向けのホームページとは別に、スマホ専用ホームページを制作する方法があります。
パソコンで閲覧している場合はパソコン向けページ、スマホで閲覧している場合はスマホ向けページというように、ユーザーが閲覧しているデバイスに応じて、適したホームページに振り分けることが可能です。
スマホ最適化を実施する際の6つのポイント
スマホ最適化を実施する際のポイントとして次の6つが挙げられます。
- インタースティシャル広告の廃止
- タップ要素の距離を開ける
- Flashの廃止
- 文字を大きくする
- ビューポートの設定
- スクロールは縦方向のみ
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.インタースティシャル広告の廃止
スマホ最適化を実施する際は、「インタースティシャル広告」を廃止した方がよいでしょう。インタースティシャル広告とは、コンテンツの上に覆いかぶさる形で表示される広告のことです。
インタースティシャル広告を導入していると、本来の目的であるコンテンツを読みにくくしてしまう他、広告表示を消すための無駄な動作をユーザーに与えてしまいます。モバイルフレンドリーとして見なされなくなってしまうリスクもあるため、インタースティシャル広告は廃止することをおすすめします。
2.タップ要素の距離を開ける
スマホでは、指でボタンやリンクをタップするため、複数のボタンやリンクがひしめき合って設置されていると、誤操作するリスクが高くなります。
誤操作のリスクを減らすためには、ボタンやリンクといったタップ要素の距離を開けることが大切です。
3.Flashの廃止
Adobeが提供していた「Flash」は2020年12月31日をもってサポートが終了し、翌2021年1月にはコンテンツの実行もストップしました。これに伴い、FlashはHTML5やJavascriptといった技術に完全移行しています。
Flashで生成されたコンテンツをスマホで閲覧する際は、別途アプリをインストールする必要があったため、Flashはスマホ最適化において推奨されていない技術でした。しかし、サポート終了によって、パソコン向けホームページもFlashからの脱却を図らなければならなくなっています。
4.文字を大きくする
パソコンと比べると、スマホの画面サイズは非常に小さいため、パソコン向けのホームページと同じ文字サイズや行間だと、非常に読みにくくなってしまいます。
そのため、スマホ最適化を行う際は、ズームしなくても読める文字サイズや行間に調整することが大切です。
5.ビューポートの設定
「ビューポート(viewport)」の設定も行っておくとよいでしょう。ビューポートとは、HTMLのheader部分で端末の表示領域を制御するメタタグのことです。
ビューポートを設定しておけば、モバイル端末に適した幅や高さでコンテンツを表示できます。ビューポートの設定が正しく行われているかどうかは、後述するモバイルフレンドリーテストで確認することが可能です。
6.スクロールは縦方向のみ
多くの方はスマホを片手で使用します。そのため、左右のスクロールが必須という場合、操作しづらく、ユーザビリティの低下を招きます。
以上の点から、スマホ最適化を行う際は、縦方向のみのスクロールで全体を閲覧できるように、コンテンツの幅を調整することが大切です。
スマホ最適化になっているか確認する2つの方法
スマホ最適化になっているか確認する方法として次の2つが挙げられます。
- Google Search Console
- モバイルフレンドリーテスト
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.Google Search Console
「Google Search Console(グーグルサーチコンソール)」とは、Googleが提供しているホームページのパフォーマンス分析ツールです。Google Search Consoleにホームページを登録しておけば、モバイルユーザビリティレポートと呼ばれる項目で、モバイルフレンドリーになっているかどうか確認できます。
モバイルフレンドリーになっていない場合、問題のあるページとその内容が表示されるため、それをもとにスマホ最適化させていくことが可能です。
2.モバイルフレンドリーテスト
「モバイルフレンドリーテスト」とは、Googleが提供しているチェックツールのことです。チェックしたいホームページのURLもしくはコードを入力すれば、入力したページがモバイルフレンドリーになっているかを確認できます。
文字サイズやビューポートの設定、タップ要素同士の距離などの項目に沿って、スマホ最適化されているかを確認してくれます。モバイルフレンドリーではないと評価された場合、理由や対処法も表示されているため、スマホ最適化で実施すべきポイントを必然的に押さえることが可能です。
ホームページをスマホに最適化したら終了というわけではない!?
ホームページをスマホ最適化すれば全て解決するというわけではありません。というのも、Googleの評価基準は定期的に更新されるからです。
そのため、更新内容によっては新しい評価基準が加えられ、当記事で紹介したポイントを押さえただけでは、モバイルフレンドリーとして認められない可能性があります。
Googleから高い評価を得続けるためには、スマホ最適化後も最新情報を確認し、定期的にモバイルフレンドリーかどうかをテストしながら、必要に応じて修正していくことが大切です。
ホームページのリニューアルについて
スマホ最適化を行うためには、ホームページのリニューアルが欠かせません。ここでは、ホームページリニューアルの概要を下記3項目に分けて、簡単に解説します。
- リニューアルの方法
- リニューアル完了までの期間
- リニューアルの手順
それぞれ詳しくみていきましょう。
リニューアルの方法
ホームページをリニューアルする方法は次の2つです。
- 自社で制作する
- ホームページ制作会社に依頼する
自社で制作すれば、予算は0円~数万円程度と低コストでリニューアルすることができます。近年はWordpressなどのCMSや、無料のホームページ制作ツールが増えている他、どのツールもレスポンシブWebデザインが基本デザインとして実装されてことがほとんどです。
そのため、専門知識を持った社員がいなくても、手軽にホームページをリニューアルできます。ただし、制作会社に依頼した時と比べるとクオリティが劣る他、Googleの評価を上手く得られず、リニューアル前よりもアクセスが落ちるなどのリスクがあります。
ホームページ制作会社に依頼すれば、クオリティの高いホームページを制作できるでしょう。実績のある制作会社であれば、機能面やデザイン面において、満足のいくホームページに仕上がるはずです。
ただ、制作会社にホームページ制作を依頼すると、それなりにコストがかかってしまいます。依頼する制作会社やリニューアルするホームページの規模にもよって差はあるものの、約10万~300万円程度かかるため、相見積もりを取るなどして、依頼先は慎重に決めましょう。
リニューアル完了までの期間
ホームページのリニューアル完了までの期間はホームページの規模によって変わります。例えば、ランディングページのみであれば1ヶ月程度、10ページ程度のコーポレートサイトであれば3ヶ月程度です。
一方、ページ数が多かったり、様々なシステムが絡んだりするような、大規模なホームページの場合は半年~1年、もしくはそれ以上かかる可能性があります。
また、冒頭で紹介した小規模なホームページであっても、既存システムが複雑だったり、デザインを作り込みたいなどの要望があったりする場合、リニューアル完了までに時間を要してしまうでしょう。
リニューアルの手順
企業によって多少の違いはあるものの、ホームページのリニューアルはおおよそ以下の手順で進められます。
- ヒアリング・ホームページをリニューアルする目的の明確化
- 課題の設定
- 企画の立案
- ホームページの設計・デザイン・開発
- ホームページの制作
- テスト
- リニューアルしたホームページをリリース
ヒアリング・ホームページをリニューアルする目的の明確化から企画の立案までの「要件定義フェイズ」、ホームページの設計・デザイン・開発からテストまでの「制作・開発フェイズ」の2フェイズに分かれていることが一般的です。
スマホ最適化のまとめ
スマホの保有率やスマホでのインターネット利用率の増加に伴い、Googleの評価基準はモバイルが主体となりました。その結果、ユーザビリティを高めるために注目されていたスマホ最適化も、現在ではSEO対策には欠かせない施策となり、ホームページ運用では当たり前となっています。
ホームページをスマホ最適化していないという場合は、Googleからの評価を得ることができないため、検索順位を上げられません。ホームページのアクセス数を増やしたいという場合は、スマホ最適化を行い、スマホ時代に対応したホームページにリニューアルすることが大切です。