ホスティング費用とは?ホスティングの定義やクラウドの違いについても解説

ホスティング費用とは?ホスティングの定義やクラウドの違いについても解説

ホスティング費用とは?

「ホスティング費用」とは、レンタルサーバーを利用するにあたって、毎月発生する月額料金のことです。「レンタルサーバー代」「ホスティング料」などと呼ばれることもあります。

つまり、ホームページを設置する場所をレンタルすることをホスティング、設置場所を借りる見返りとして毎月ホスティング費用を支払うということです。ホスティング費用はインターネット上における家賃とイメージすると分かりやすいでしょう。

ホスティングの費用相場

ホスティングサービスで貸し出されるサーバーの種類は「共有サーバー」「専用サーバー」「VPS」「クラウドサーバー」があります。また、ディスク容量は10GB~500GBと幅広く用意されています。

肝心の費用相場ですが、10GB~20GB程度あれば1,000円弱~1,500円程度、40GB~50GBだと2,000円~4,000円程度、専用サーバーだと1万~3万円程度です。このように、契約するサーバーの種類やディスク容量によって、費用は大きく異なります。

また、同じ条件であっても、契約するホスティングサービスによって費用は異なるため、上記費用はあくまでも目安として捉えておきましょう。

そもそもホスティングとは?

「ホスティング」とは、サーバーを借りることであり、「レンタルサーバー」とも呼ばれます。インターネットサービスプロバイダと契約し、サーバーを貸し付けてもらうことで、Web・メールといったサービスを預けることができます。

自社サーバーの場合、使用領域が社内に限定されるため、遠隔地では利用できない可能性が高いです。一方、ホスティングの場合は、外部サーバーに預けておけるため、遠隔地で利用することもできます。

クラウドサービスとの違い

「クラウドサービス」とは、ネットワーク上で提供されているサービスのことです。ホスティングとクラウドサービスとの違いは「サーバーの有無」です。

ホスティングは前述のとおり、「レンタルサーバー」であるため、レンタルサーバーの提供企業は当然サーバーを用意する必要があります。一方、クラウドサービスは言葉のとおり、「雲」のように実体がなく、ネットワーク上で提供できることから、サーバーを用意する必要がありません。

ハウジングサービスとの違い

サーバーを貸し出す「ホスティング」に対して、「ハウジングサービス」は、サーバーを置く場所を提供するサービスです。そのため、ハウジングサービスを利用するのは、自社専用サーバーを所有している企業となります。

ハウジングサービスの利用目的としては、セキュリティ対策や災害対策、社内スペースの確保などが挙げられます。

サーバーの種類

サーバーの種類は次の4つです。

  • 共有サーバー
  • 専用ホスティング
  • VPS
  • クラウドサーバー

それぞれ詳しくみていきましょう。

1.共有サーバー

「共有サーバー」は、1台のレンタルサーバーを複数のユーザーが共有するタイプのサービスです。個人でホームページを開設する場合、最も利用率が多いタイプでもあります。

共有サーバーはサーバー運営費をユーザー全員で負担することから、低コストで利用でき、設定・運用などはすべて運営会社が行うため、高い専門知識がなくても利用可能です。

一方、共有であるがために設定が画一的で、自由度が低く、複数人が同時に利用した場合はサーバーの負荷が大きいといったデメリットがあります。また、他サーバーと比べるとセキュリティレベルが低い場合もあるため、使用する際は注意が必要です。

2.専用サーバー

「専用サーバー」は、ユーザー1人に対して1台のサーバーがレンタルされるサービスです。法人の方が利用する場合に選ばれやすいタイプでもあります。

専用サーバーは1台のサーバーを独占できるため、自由に設定できる他、共有サーバーと違って複数人がアクセスする心配もないため、サーバーへの負荷がかかりにくいです。他にも、共有サーバーよりもセキュリティ性が高い、レンタルのため、サーバー設置場所や電気代がかからないといったメリットがあります。

一方、利用環境の設定などはすべて契約者が行わなければなりません。そのため、高度な専門知識が必要かつ運用の手間がかかるといったデメリットがあります。

前述のとおり、ホスティング費用も割高となるため、専用サーバーを導入する際はしっかりと検討する必要があるでしょう。

3.VPS

「VPS(仮想専用サーバー)」は、共有サーバーながら、専用サーバーと同じような環境下で利用できるサービスです。VPSは1台のレンタルサーバーを複数人で利用しているものの、1ユーザーが1台のサーバーを利用しているように設定されています。

そのため、比較的低コストで使用できるにもかかわらず、ユーザーが自由に設定できる、負荷の処理レベルやセキュリティ対策が専用サーバーと同等と、両者のメリットを併せ持っているのが特長です。

一方、利用環境設定や運用などは専用サーバーと同様すべて契約者が行わなければなりません。そのため、高度な専門知識が必要で、運用の手間がかかるのがデメリットです。

4.クラウドサーバー

「クラウドサーバー」も共有サーバーやVPS同様、1台のレンタルサーバーを複数人で利用するタイプのサービスです。ただし、クラウドサーバーは状況に応じて利用できる機能を変更できるため、上記3タイプと比較すると、新しいタイプのサーバーとなります。

専用サーバーと同等の高い負荷処理に加え、契約後も状況に応じて利用機能の変更やメモリ・CPUの拡張、オプションの導入で、他サーバーよりもセキュリティレベルを高められるのがメリットです。

一方、設定が自由な分、高度な専門知識が必要、従量課金制でコストが割高になりやすいといったデメリットがあります。

ホスティングのサービス・機能

ホスティングのサービス・機能として次の4つが挙げられます。

  • 導入・構築関連のサービス
  • 運用管理者の負担軽減サービス
  • 接続・回線関連のサービス
  • セキュリティ対策

それぞれ詳しくみていきましょう。

導入・構築関連のサービス

導入・構築関連のサービスとして次の4つが挙げられます。

  • ドメインの取得
  • ドメイン取得・データやシステム移行の支援
  • マルチドメイン対応
  • 指定OSのインストール

それぞれ詳しくみていきましょう。

ドメイン取得・データやシステム移行の支援

ドメイン取得支援は、ホームページ立ち上げ時に必要なドメインの取得・運用のサポートサービスです。データ・システム移行支援は、別サーバーにあるデータの移行を代わりに行ってくれるサービスです。

これらのサービスを利用すれば、手間をかけずに、サーバーを利用できるでしょう。

マルチドメイン対応

マルチドメインとは、1つのサーバーで複数のドメインを管理することです。

ほとんどのホスティングサービスはマルチドメイン機能が搭載されているため、1つのホスティングサービスで複数のホームページを運営できます。

指定OSのインストール

ユーザーのニーズに合ったOSをインストールして使用することが可能です。

自社が利用やすい環境にカスタマイズできたり、希望するOSのインストール作業を代行してくれたりするサービスもあります。

運用管理者の負担軽減サービス

運用管理者の負担軽減サービスとして次の5つが挙げられます。

  • BCP対策
  • root権限の付与
  • 改ざんの検知
  • 有人監視による運用管理
  • 負荷の分散

それぞれ詳しくみていきましょう。

BCP対策

「BCP対策」とは、災害などの緊急事態が発生した際、被害を最小限に抑えながら、事業を継続できるようにするための対策・計画のことです。災害・停電に備えて、遠隔バックアップや自動バックアップなどがBCP対策として挙げられます。

ただし、対策内容はホスティングサービスごとに違います。そのため、どこまでサービス側が対応するのかを確認した上で、自社内で適切な計画を講じていくことが大切です。

root権限の付与

「root権限」とは、サーバーを自由に設定できる権限を、ユーザーに付与するサービスのことです。root権限があれば、ユーザーはある程度自由にカスタマイズできます。

ただし、自由度が高くなる一方で、運用やセキュリティをすべて自社が行わなければならない場合もあるため、利用する際は注意が必要です。

改ざんの検知・負荷の分散

「改ざんの検知」はホームページの不正な改ざんを監視、改ざんを検知した場合はユーザーに通知してくれるサービスです。「負荷の分散」はサーバーに大きな負荷がかかることが予想される場合に、ロードバランサなどを活用して負荷分散を行ってくれるサービスです。

自社で運用する場合は大変ですが、ホスティングサービスであれば、これらを提供事業者に任せることができます。

有人監視による運用管理

「有人監視による運用管理」はサーバーの稼働状況といった監視を有人で行うサービスのことです。トラブルが発生した際、事業に与える影響が大きい場合は、監視ツールよりも有人監視サービスを利用した方がよいでしょう。

また、トラブルが発生した際に、リブート代行や復旧代行といったサービスを提供しているホスティングサービスもあります。

接続・回線関連のサービス

接続・回線関連サービスとしては次の2つが挙げられます。

  • 専用回線
  • VPN接続

「専用回線」は自社の占有回線を持てるサービスのことです。他ユーザーと回線・サーバーを共有したくないという方は利用を検討するとよいでしょう。

「VPN接続」は仮想の専用線をネットワーク上に構築することで、公衆回線を閉鎖的なネットワークとして使用できるサービスです。通信者同士を仮想的なトンネルで隔離した状態でデータのやりとりを行うため、安全にサーバーへアクセスすることができます。

セキュリティ対策

ホスティングサービスも一定レベル以上のセキュリティ対策は施されています。しかし、自社が独自のセキュリティ対策を行えば、より安全性の高いサーバー環境の構築が可能です。

セキュリティ対策関連の代表的な機能として次の2つが挙げられます。

  • SSLサーバー証明書
  • ウイルス・スパム対策

「SSL(Secure Socket Layer)サーバー証明書」とは、暗号化通信を行うための電子証明書のことです。SSLサーバー証明書を取得すれば、インターネット上で送受信されるデータを暗号化できるため、個人情報などを安全にやりとりできます。

ウイルス・スパム対策はほとんどのホスティングサービスで行われている対策です。ウイルスチェックなどの各種対策が導入・実施されている他、ファイアウォールといったネットワーク上のセキュリティ対策を利用できます。

ただし、セキュリティレベルはホスティングサービスごとに異なるため、契約前に確認することが大切です。

ホスティングを導入する際の3つのポイント

ホスティングを導入するポイントとして次の3つが挙げられます。

  • オプションは適切か?
  • ドライブの種類
  • ホスティング費用と利用期間

それぞれ詳しくみていきましょう。

1.オプションは適切か?

ホスティングサービスごとに、ディスク量の追加やセキュリティ対策など、様々なオプションサービスがあります。必要なオプションは自社の利用状況で異なりますし、使用しないオプション機能にお金を払うのは無駄です。

そのため、自社に必要なサービス・機能をあらかじめ洗い出しておき、不要なオプションが含まれている場合は取り除きましょう。

2.ドライブの種類

ドライブの種類によって、ホスティングの質は大きく変わります。ドライブには「HDD」と「SSD」の2種類があり、通信速度はSSDの方が速いです。

そのため、動的なホームページである場合はSSDの方がよいでしょう。ただし、SSDはHDDと比べてコストが高額になりがちなため、コストと性能を比較しながら、自社に適したタイプを慎重に見極めなければなりません。

3.ホスティング費用と利用期間

ホスティングサービスによって、月々の料金は大きく異なります。また、ほとんどのサービスで、最低利用期間が設けられており、途中解約したとしても、残り期間の料金を支払わなければならないのが一般的です。

月額料金が安くても、最低利用期間が長ければ結果として高額となるリスクもあるため、長期利用するか未確定の場合は、利用期間が短いサービスを利用した方がよいでしょう。

ホスティング費用とはのまとめ

「ホスティング」とは一般的にレンタルサーバーと呼ばれるサービスのことで、ホスティング費用はレンタルサーバー料金のことを指します。レンタルサーバーには様々な種類・機能・ディスク容量が用意されており、契約内容によって費用は大きく変動します。

ホスティングサービスごとに提供サービスや料金、費用も異なるため、導入前には自社に適したホスティングサービスかどうかしっかりと検討することが大切です。

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